週間機械技術

新聞・雑誌やインターネット上の機械技術開発に関連するニュースを独自調査結果と共にお知らせしています。
ご感想やご意見を 協会(kigikyo@machine.or.jp)にお寄せ下さい。


第60号 2006年08月04日

[概況]
[景気]
米国の4-6月期実質GDPは年率換算で2.5%。安定成長へ。
[動向]
<企業>
米誌ビジネスウィークによる、世界の企業と製品のブランド番付は、1位コカコーラ2位マイクロソフト3位IBM。日本勢は、7位トヨタ19位ホンダ26位ソニー35位キャノン51位任天堂77位パナソニック90位日産92位レクサスが100位以内となった。
<再編>
2日、王子製紙は北越製紙に対し、敵対的TOBを開始した。
<環境>
ソニーは、温室効果ガスの排出量を2010年までに7%削減。リコーは、原料輸送を鉄道にしてCO2排出量1/7に。
<政策>
特許庁は、中小企業の特許出願や審査請求の支援策を拡充。
<国際化>
中国では、田中熱工が防錆処理の加工事業を開始した、三菱重工業が高炉ガス焚きガスタービン複合サイクル発電設備の合弁設立、日本ユニシス・エクセリュ-ションズとクライムエヌシーテンは自動車用金型のCAD/CAMデータを作成するアウトソーシングセンターお設立した、村上開明堂がドアミラーを増産、正興電機が電力や鉄鋼用制御機器の販売を開始した。
[機械技術開発]
<新エネルギー> 水分解の水素発生量10倍に
東京理科大学工藤昭彦教授らは、光触媒と可視光を使って水を水素と酸素に完全分解する手法で、水素の発生量を従来の10倍に高めた。光触媒を2種類組み合わせた。化石燃料を使わずに水と太陽光から燃料電池向け水素を製造する手法の実用化に近づく成果とのこと。週間機械技術第59号に紹介した工藤教授の成果のさらに4倍。
<環境> 南極の氷を非破壊で3次元可視化
産業技術総合研究所は、日立製作所、筑波大学、高エネルギー加速器研究機構と共同で、南極の氷に閉じ込められた空気が水とともに結晶化してできたエアハイドレード結晶を非破壊でかつ3次元的に可視化することに成功した。位相コントラストX線CT法を活用し、従来法に比べて1000倍程度高感度。過去数十万年の間に地球が経験した気候や環境の変動の歴史を精密に読み取れることが期待される。
<環境> ホタテの内臓捨てずに利用
青森県工業総合研究センターは、日本原子力研究開発機構、八戸工業高等専門学校と共同で、加工後に捨てられているホタテ貝の内臓などを有効利用する技術を開発した。カドミウムを除いて無害とし、残りを肥料やサプリメント剤として利用する。ホタテの内臓をリンゴ酸溶液に入れるとカドミウムが溶液中に溶け出し、特殊なフィルターでカドミウムを吸着し回収する。
<ナノ加工> チップで微量物質測定
慶應義塾大学三木則尚専任講師と黒岡克仁大学院生は、「表面増強ラマン分光法」を使って、微量な物質の種類を特定するチップを開発した。ガラス基板上に銀ナノ粒子をほぼ均一に堆積させ、試料と銀ナノ粒子が接する仕組みにした.光がこれらにあたった際強い電場が発生するようにした。この電場の影響を受けて微弱な散乱光が増強される。微量な環境物質のセンサーやバイオセンサー、生化学兵器の検知センサーなどへの応用が期待できるという。
<マイクロ> エネ分布のそろった電子ビームで加速器の小型化へ
日本原子力研究開発機構量子ビーム応用研究部門森道昭研究員らは、小型レーザーを用いてエネルギー分布のそろった電子ビームを発生した。ビームの中心エネルギーは2000万電子ボルト、パルス幅は10フェムト秒(フェムトは1000兆分の1)と推定される。パルスレーザーのガス照射時に発生するプラズマを電子の加速源とすると、従来の電子加速器に比べて100倍以上の強力な加速電源となる。そのため電子加速器の小型化へつながるという。
<自動車> ディーゼル排ガスを多孔質固体電解質で浄化
立命館大学理工学部吉原服福全教授らは、多孔質固体電解質を用いたディーゼル機関の排ガス浄化技術を開発した。固体電解質にはさんだ電極で粒子状物質(PM)を捕集するとともに窒素酸化物(NOx)を吸蔵し、通電による酸化還元反応を利用してPMとNOxを同時に減らす。固体電解質には安価なセラミックスを使い白金など高価な触媒は不要。使用エネルギーは出力に対し約0.6%-0.3%と少なく、トラックなどへの応用が期待できるという。
<生産> 繊維強化プラスチック同士を強固に接合
九州大学太田俊昭名誉教授らは、疲労や圧縮に強い新たな炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を用い、CFRPの部材同士を接合できる技術を開発した。部材同士をかみ合わせることにより、従来の接着法と比べ約10倍の接合能力を実現した。飛行機の翼や自動車のボディーといった構造体の補強材として利用できるなど幅広い応用が期待できるとのこと。
<ロボット> 鯛そっくりの水中ロボット
海洋研究開発機構山本郁夫グループリーダーらは、鯛そっくりの水中ロボットを開発した。実物同様に、尾びれをくねらせながら泳ぐ。カメラセンサーを搭載すれば生物調査などに利用できる。全長約80cmで、モーター、バッテリー、浮力調整装置などを内臓。前進速度時速約2.8km。バッテリーの持続時間40分。
<医用機器> 細胞の生死をリアルタイムで観測
東京大学浜口宏夫教授らは、生きている細胞が死んでいく様子をリアルタイムで観測できる技術を開発した。微弱なレーザーをあてて、細胞内で起こる物質の変化を調べる。将来的には正常な細胞ががん化するのをいち早く捉えることも可能で、早期のがんを見つける診断技術への応用が期待できるという。
<医用機器> 細胞生きたまま成長判断
産業技術総合研究所セルエンジニアリング研究部門中村史主任研究員らは、神経などに成長した細胞と成長前の細胞を生きたまま判別できる新技術を開発した。極細の針で細胞の構造を識別する。針の直径は200ナノメートル。通常の20-30ミクロンに比べ約1/100以下の細さのため、蛍光体を使う従来法に比べ細胞を傷つけにくい。
このページのトップへ

第59号 2006年07月28日

[概況]
[景気]
日本経済は、新たな成長へ。18日、内閣府発表の「06年度経済財政白書」による見通し。
[動向]
<企業>
ホンダが、航空機産業に参入。6~7人乗り小型ビジネスジェット機。
<再編>
新日鉄は、「アルセロール・ミタル」と車用鋼板などの提携継続へ。
<環境>
総合建設大手各社、土壌浄化事業を拡充。
<政策>
国際標準化機構(ISO)は、サービスロボット標準化のためのプロジェクトチーム設置。安全分野中心。
<国際化>
中国では、東洋ゴムが自動車用ホースや防振ゴムを増産、日本磁力選鉱が鋼板圧延用リサイクル装置を拡販。タイでは、日産自動車が部品輸出拠点を07年1月本格稼動。中国とインドネシアなどでは、新明和工業がダンプ車やゴミ収集車など合弁工場で現地生産へ。
[機械技術開発]
<新エネルギー> バイオディーゼル燃料、マレーシアで実証
新日本石油とトヨタ自動車は、マレーシアに100%パーム油から軽油代替のバイオ燃料をつくる実証プラントを09年度に立ち上げる。NEDOの補助事業。日本は温暖化対策として、2010年にバイオディーゼルとバイオエタノールを合わせて50万キロリットルを導入予定。
<新エネルギー> 水から水素の発生量2.5倍
東京理科大学工藤昭彦教授は、紫外線に反応して水から水素を作り出す光触媒の性能を大幅に高めることに成功した。吸収した光のうち水の分解に使われる光の割合を従来の20%から56%に高め、水素の発生量を2.5倍に高めた。将来、宇宙空間で水から水素を製造する際に役立つ成果としている。光触媒はランタンを含むタンタル酸ナトリウムという直径200-500ナノメートルのセラミックス表面に直径1ナノメートルの酸化ニッケルを重量比で0.2%付着させたもの。
<環境> 高性能に排ガス浄化
産業技術総合研究所は日本ガイシと共同で、工場の排ガスを浄化する高性能触媒をかいはつした。超多孔性の白金・アルミナ触媒で、工場の排ガスに含まれる有害揮発性有機化合物などを酸化除去する。従来より触媒反応温度を100℃程低下でき、耐熱性は約200℃高いのが特徴とのこと。
<ナノ加工> 磁気特性持つ8ナノメートル粒子
埼玉工業大学大学院巨東英教教授は、フェライト微粒子を使い、従来よりも精密なプロセス制御により、磁気特性を持つ直径8ナノメートルの微粒子の合成に成功した。合成した微粒子が磁場の影響により整列することで、光の反射率が高くなる光学応答現象を確認した。光磁気ディスクの記録装置や金属材料の非破壊検査への応用が考えられるという。
<マイクロ> フェムト秒レーザー照射で、金属の微細配線
横浜国立大学丸尾昭二助教授らは、フェムト秒レーザーを照射して微細な金属配線を作製する技術を開発した。半導体製造に使う光リソグラフィーに比べ微細化の点では見劣りするが、立体的なものにも自在に配線できる。マイクロマシンへの応用などが期待できるという。
<自動車> カーナビの更新簡単に
パスコは、「道路標識自動認識システム」を開発し、道路標識のデータをカーナビゲーションシステム向けに提供する事業を今夏から始める。データ収集には、天井にデジタルビデオカメラを備えたワゴン車を用いる。5m移動するごとに4台のカメラが道路周辺部を1コマずつ撮影し、車内のGPS機器とジャイロセンサー、パソコンを組み合わせたシステムが道路標識の位置座標を計算し、地図上に表示する。
<自動車> リチウムイオン電池の放電速度5倍
九州大学山本準一教授、岡田重人助教授らは、放電速度を従来の5倍に高めたリチウムイオン電池を開発した。正極の材料であるコバルト酸リチウムの粒径を従来の5ミクロンからナノメートルサイズに微細化することで実現した。一気に大きなエネルギーを取り出せることから、ハイブリッド自動車などへの応用が期待できるという。
<生産> LSI設計、C言語で記述量1/7
NECシステムテクノロジーは、システムLSI設計プログラムの記述量を従来より7分の1に削減できる設計ツール群「サイバーワークベンチ(CWB)」を商品化出荷する。ソフトウェアのプログラムで主流のC言語を採用し、ハードとソフト双方で一貫して使えるC言語設計を実現した。価格は一般モデルが3500万円。
<ロボット> イルカ型水中ロボット
東京工業大学中島求助教授らは、イルカのような形状の水中ロボットを開発した。モーターで尾ひれを動かしながら泳ぎ、水中で宙返りすることなどもできる。全長約1m。アルミ製のフレームを繊維強化プラスチックで覆って胴体を作り、モーターの動きをばねで増幅しながら尾びれに伝えて上下に動かし、毎秒1mの速度で前進する。水中での生物探査、監視、保守点検などへの応用が期待できるという。
<医用機器> 10秒で細胞を解析
九州大学大学院今坂藤太郎教授、内村智博助手らは、細胞に導入した蛍光色素にレーザーを照射、色素が発光して消えるまでの「蛍光寿命」を画像化することで、約10秒間で細胞を解析する手法を開発した。これまでは、約30分かかっていたという。細胞の変化の様子を正確に画像化できれば、がん細胞を調べたり、赤血球を調べることで、心筋梗塞など血管に関連する疾患の早期発見に貢献できるという。
このページのトップへ

第58号 2006年07月21日

[概況]
[景気]
14日、日銀はゼロ金利解除。誘導目標0.25%。波乱要因は、中東情勢緊迫による原油高。
[動向]
<企業>
全米「06年ブランド番付」は、1位ソニー、2位デル、3位コカコーラ、4位トヨタ、5位フォード、6位ホンダ・・・となった。注、米国のハリス・インタラクティブ社の調査による。
<再編>
コベルコクレーンは、独グリーブ社からOEM供給を受け、120トン吊り機の国内市場へ秋にも参入。
<環境>
高砂熱学は空調用ポンプ電力75%削減。栗田工業は汚泥からの有用資源リンの回収率70%。
<政策>
2025年までの高速増殖炉(50万kw級)実現に向けて5者協議会設置。注、5者とは、経済産業省資源エネルギー庁、文部科学省、日本原子力研究開発機構、電気事業連合会、メーカー(代表日立製作所)。
<国際化>
中国では、辻産業が中・小型船(3万総トン以下)建造事業に参入。インドでは、日本貿易振興会(ジェトロ)のインドビジネス立ち上げ拠点「ビジネスサポートセンター」へ日産自動車、ヤマトロエネティクス、ヒロハマなど5社が入居。ポーランドでは、岡谷鋼機が液晶テレビ用金属プレス部品を07年7月生産開始。
[機械技術開発]
<新エネルギー> 燃料電池車の走行距離延長へ
トヨタ自動車と日産自動車が、燃料電池(FC)車の走行距離延長に向け、高圧圧縮水素タンク700気圧に高めた車で実証に入る。日産のFC車は、350気圧で370km、700気圧で500kmという。一方、世界で最も進んでいるホンダのハイブリッドシステム(水素燃料タンク=高圧圧縮+メタルハイドライド)の改良も着々と進んでいる。エコカーとしては、ガソリンハイブリッド車、バイオ燃料車ときて、次のFC車については2015年から2020年で500万円クラスの実現が目標という。/
<環境> パーツフィーダー制御装置の消費電力30%削減
NTNは、部品に振動を与えて整列搬送させるパーツフィーダー用に、自社従来型に比べ消費電力を30%減らせる制御装置を開発した。パーツフィーダー内で振動を起こす電磁石から電圧の変化を読み取り、そのデータから部品の整列と搬送に最も適した振動を計算する。価格は7-15万円。/
<ナノ加工> 異種高分子をナノサイズで混合
産業技術総合研究所は、高せん断流動状態を利用して異種高分子をナノメートルサイズで分散・混合する技術を開発した。添加剤を使わず、分散相サイズを従来より1桁以上改善したのが特徴。10-数十ナノサイズのポリアミド11がポリフッ化ビニルデンに均一に分散できた。ポリマーのブレンドや医薬品・化粧品などへの適用が期待されるとのこと。/
<マイクロ> 高耐熱で強固に結合
大阪大学大学院工学研究科伊東一良教授、渡辺歴元助手(現・産業技術総合研究所)、玉木隆幸大学院生らは、フェムト秒レーザー(フェムトは1000兆分の1)を用いて熱膨張率が異なる2枚のガラスを直接接合した。約2μmのレーザー集光点付近の局所的反応で、他の材料も不要なため強固で耐熱温度が高い接合が出来る。実験では最大強度15.3メガパスカルを得た。微細な結合領域を形成できるため、MEMSへの応用などが期待できるという。/
<自動車> 低公害燃料でNOxが1/8へ
神奈川大学田嶋和夫教授はJFEエンジニアリングや前田建設工業と共同で、軽油などの燃料と水を混合し、低公害・省燃費を実現するスーパー・エマルジョン(乳酸化)燃料を開発した軽油と水に乳化剤のひまし油を入れて攪拌する。30トンの重ダンプカーを使った軽油100%との比較実験では、軽油65%のスーパーエマルジョン燃料でNOxが約1/8、PMが約1/20に減少した。燃費も15%改善した。次期排ガス規制をクリア。/
<生産>光合成の生産能力改変に期待
熊本大学理学部高野博嘉教授と武智克彰研究員らは、光合成の機能を持つ葉緑体の分裂について、コケの一種ヒメツリガネゴケを使って研究している。その研究で、陸上の高等植物が進化の過程で失ったと考えられていた葉緑体の分裂に関わる遺伝子を発見した。将来、でんぷんなどの光合成による植物の物質生産能力を改変できる可能性が出てきたとのこと。/
<生産> 次々世代DVD用材料のホログラムディスク
産業技術総合研究所福田隆史主任研究員は樹脂大手と共同で、次世代DVDの10倍以上の情報を3次元に記録でき、何回でも書き換え可能な光ディスク用の記録材料を開発した。アゾベンゼン高分子という有機材料の一種を活用し、二本のレーザー光で立体的に情報を記録するホログラム技術を応用した。1万回以上書き換えても性能が落ちない。「ブルーレイディスク」や「HD=DVD」の記録容量が20-30ギガバイトに対して、ホログラムディスクは最低でも200-300ギガ(10億)バイト程度、理論的には1テラ(テラは1兆)バイト以上という。2010年までに実用化の見込み。/
<ロボット> 脳に電極、義手操作
米ブラウン大などの研究チームは、脊髄損傷で手足が麻痺した男性患者(25歳)の脳に微細な電極センサーを埋め込み、コンピューターを介して、思い通りに義手を開閉させたり、ロボットアームで物をつかんで移動させたりする実験に成功した。脳の「第1次運動野」のうち、手や腕の動きをつかさどる部分に100本の微小な電極で構成されるセンサー(4mm角)を埋め込み、脳神経の信号がコンピューターに入力されるようにした。11日付英科学誌ネイチャーに発表された。/
<ロボット> 細長い板状のアクチュエーター
東京大学相田卓三教授、産業技術総合研究所安積欣志人口細胞研究グループ長、科学技術振興機構福島孝典グループリーダーらは、左右にしなる細長い板状のアクチュエーターを開発した。イオン液体を封入しているのが特徴で、駆動電源も従来に比べ1/10。量産も容易。開発したアクチュエーターは板状で、厚さ0.1mm、縦2cm、横3-4mm。内視鏡や人間ロボットの筋肉などへの応用が期待できるという。/
<医用機器> 乳がん検診画像見やすく
早稲田大学西村敏博助教授らは産業技術総合研究所や大阪大学と共同で、乳がん検診に使うX線画像装置のマンモグラフィー向けに画像解析ソフトを開発した。画像から腫瘍の部分を浮き出させて容易に判別できるようにした。これまで、X線画像を読み取れる専門家は限られていたが、かなり判別しやすくなるという。38例中36例を正しく判定できたとのこと。/
このページのトップへ

第57号 2006年07月14日

[概況]
[景気]
ゼロ金利解除へ。3日の日銀短観で景気の拡大と物価の上昇の継続確認。
[動向]
<企業>
射出成形機業界が次世代DVDで“新特需”を期待。
<環境>
タケエイが川崎市に国内最大の建設廃材リサイクル工場を建設。リサイクル率90%。
<政策>
経済産業省資源エネルギー庁は、家電製品の省エネルギー表示の具体的基準を策定した。
<国際化>
中国では、日立建機が建機部品の切り板加工の共同出資工場を11月生産開始、シチズン時計が電波時計販売に向けて中国社に45%出資、ペガサスミシン製造がニット製品やカジュアル衣料用ミシンを増産。インドでは、JUKIが総合展を開催し工業用ミシンの市場開拓。米国では、富士重工業とトヨタ自動車が部品を相互調達する。カナダでは、豊田紡織が自動車用シートなど内装品の生産会社を月内設立。英国、フランスでは、クボタが中型トラクターを拡販。ウクライナでは、富士重工業がスバル車を本格拡販。米国、中国、アジアでは、日本ピストンリングがピストンリングせいさんを本格増産。
[機械技術開発]
<新エネルギー> ISプロセスの水素製造法
日本原子力研究開発機構は、高温ガス炉を用いた水素製造の実用化に向け、ヨウ素(I)と硫黄(S)「ISプロセス法」で課題となっていたセラミックス製硫黄分解器の試作に成功した。東芝との共同で高温濃硫酸に対して優れた耐食性をもつ炭化珪素(SIC)製多孔円筒型ブロックを積み重ねた新構造を考案し、毎時30立方メートルの水素製造規模の硫黄分解器を実現した。
<新エネルギー> 高出力の電池向け「イオン液体」
東京大学加藤隆史教授・東京農工大学大野弘幸教授らの研究グループは、高出力の電池につながる新しいタイプの電解質を開発した。「イオン液体」と呼ばれる液状物質を使った膜で、電気を運ぶイオンの通り道がある。この電解質膜はフィルム状の膜で、厚さ数十ミクロンで微細構造は電気を運ぶイオンの通り道が穴のようにいくつも開いている。この膜にイオン液体が入っている。従来の電解質並みの性能が出ており、さらに電気を流れやすくできる見通し。自動車用燃料電池やリチウムイオン電池の開発に応用するとのこと。
<環境> ディーゼル排ガス浄化装置
東京濾器は、ディーゼル乗用車向けに小型で除去性能の高い触媒装置を開発した。トラック向けに比べ約1/4のサイズに小型化。窒素酸化物の排出量も1km当たり0.08gr以下と09年の新排ガス規制値を達成するめどをつけた。今後、ガソリン高を背景にディーゼル車の開発を急ぐ完成車メーカーと共同で商品化を目指す。
<ナノ加工> 微小領域で高精度温度測定
群馬大学アドバンストテクノロジー高度研究センター竹平和幸非常勤研究員らは、分子サイズの温度測定が可能な蛍光温度センサーを開発した。環境によって輝度が変化する蛍光性分子と温度変化によって構造が変化する高分子を結合させることで、ナノレベルでの高精度な温度計測が可能となった。これからは、生体細胞の温度測定の初めての実現を目指すとのこと。
<ナノ加工> カーボンナノチューブで超高速光スイッチ
東京大学岡本博教授・産業技術総合研究所片浦弘道自己組織エレクトロニクスグループ長らが共同で、屈折率変化などを超高速で引き起こす非線形光学効果を単層カーボンナノチューブ(CNT)膜で初めて観測した。しかも、半導体よりも単層(CNT)膜の方が高速動作に向くことやその機構も解明した。高速大容量光通信につながる光波ネットワーク用の全光スイッチとしての応用が期待できるとのこと。
<マイクロ> 心疾患を30分で測定できる小型装置
産業技術総合研究所栗田僚二研究員らは、新書本サイズの大きさで心筋梗塞や心不全など心疾患を素早く検出できる装置を開発した。患者の血液に微量に含まれる心疾患マーカー「脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)」を高感度に検出するようにしたもので、従来大型の装置で数時間かかっていた検査が30分で出来るという。
<自動車> 3軸構造の無段変速機
ダイハツ工業ドライブトレーン部主担当員嶋本雅夫、渡瀬久朗氏らは、世界初の3軸構造の無段変速機を開発した。一般的な4軸よりも小型軽量化し、燃費性能を自動変速機と比べて15%高めた。4軸の無段変速機の燃費性能は自動変速機と比べて10%向上。今後、さらに燃費性能を磨いてゆくとのこと。
<生産> 錠剤成形用精密金型
産業技術総合研究所・栗田製作所・奈良県工業技術センター と共同で、従来に比べて3.5倍以上長寿命な錠剤成形用精密金型を開発した。鉄鋼材料基板上に均一で優れた密着特性をもつダイヤモンドライクカーボンを成膜する技術を確立、様々な打錠障害を改良した。
<生産> ホログラムの大量生産用微細金型
東京理科大学谷口淳講師、宮本岩男教授らは、立体画像を記録したホログラムを大量生産する新技術を開発した。ナノインプリントと呼ぶ加工技術をりようして、画像に応じた微細構造をもつ金型を作り、これに樹脂を流し込んで量産する。従来に比べ安価に製造できる可能性があるとのこと。
<医用機器> 薬物送達によるMRI造影剤
神奈川科学技術アカデミー横山昌幸プロジェクトリーダー、白石真一常勤研究員らは「高分子ミセル」と呼ぶナノ粒子を磁気共鳴断層撮影装置(MRI)の画像診断用造影剤に用いる基礎実験に成功した。高分子ミセルが壊れる前より壊れた後のほうが、MRI画像として白く映し出す能力が高くなることを試験管中の実験で確かめた。今後、微小ながんを早期に検出するための新種の造影剤を目指すとのこと。
このページのトップへ

第56号 2006年07月07日

[概況]
[景気]
米連邦準備会は、金利0.25%追加利上げし、年5.25%へ。今後の経済指標で利上げ休止も。日経平均一時400円超上げ(7月1日)。
[動向]
<企業>
工作機械の今年上期(1-6月)受注額が過去最高を更新。
<再編>
日産・ルノーとGMが資本提携協議に入る見通しとなった。
<環境>
リコー、2010年めどに、複写機の消費電力を7割減技術。
<政策>
経済産業省は、07年度“衣食住”で地域ブランド創出を支援
<国際化>
中国では、市光工業が仏ヴァレオと合弁で自動車用ランプ工場を新設、日本化薬がエアバッグ用ガス発生装置などを07年後半生産開始、ジーエス・ユアサコーポレーションが自動車用バッテリーを増産、三重金属工業が変速機部品などを増産、三社電機製作所が溶接棒・電源機器を増産、東芝エレベーター・日立製作所・三菱電機がエレベーターを増産。インドでは、いすゞ自動車が中型バスを07年生産開始。米国では、ホンダがインディアナ州に新工場、アイシン化工が塗布型制振材を07年5月生産開始、住友金属工業がクランクシャフトを増産。ポーランドでは、天辻鋼球製作所が軸受け用鋼球を増産した。ハンガリーでは、スズキが増産する。イタリアでは、石川島播磨重工業が過給機(ターボチャージャー)を増産。
[機械技術開発]
<新エネルギー> 燃料電池用の劣化しにくい電解質膜
東京工業大学谷岡明彦教授らは、フラーレンを混ぜることにより劣化しにくい炭化水素系の燃料電池用電解質膜を開発した。現在実用化されているフッ素系の電解質膜と比べ1/10以下のコストで製造できる。1平方メートル当たり10万円が1万円以下となる。今後は企業とともに実用化を目指す。
<環境> 耐熱温度1150℃の合金開発
物質・材料研究機構と英ロールスロイスは、航空機向けの耐熱合金の共同開発で合意した。ガスタービンエンジンの最高温部(タービンブレード)に使う新合金を開発するもので、一般的に使われている耐熱温度よりも100℃高い1150℃を目指す。より高い温度で燃料を燃やせるため燃費向上と二酸化炭素排出量を減らせる。東京-ニューヨーク往復(ボーイング787換算)で、燃料120ガロン、二酸化炭素2.5トンが削減できるという。
<ナノ加工> 立方体基盤にレジスト均一分布
NTTは、立方体基盤の各面にフォトレジスト(感光性樹脂)を均一に塗布する技術を開発した。レジスト溶液を超音波で霧状にし、この霧の粒と流れをを窒素ガスで制御して立方体表面に塗布して冷却すると、表面に溶液が凝縮し成膜する。回路線幅50ナノメートルの解像度を確認した。次世代光スイッチなどの製造を簡略化できるとのこと。
<ナノ加工> 厚さ30nm、面積4cm四方の超薄膜
理化学研究所国武豊喜グループディレクターらは、厚さ30nm、面積4cm四方の超薄膜を作製した。半導体素子製造などに広く使われる「スピンコート」技術を用いた。スピンコート技術は、溶液を回転する円盤の上の基板(シリコンやガラスなど)に向けて滴下し、遠心力によって液を周辺部に広げながら成膜していく。この超薄膜はエレクトロニクス、海水の淡水化、燃料電池の高性能化、生命化学の研究などへと幅広く貢献できるとのこと。
<マイクロ> 3次元形状測定精度5μmの高速計測
アルゴルは信州大学繊維学部谷口教授と共同で、格子状有機EL素子を用いた「3次元形状検査機」を開発した。検査機の格子状投影機に適用した結果、検査速度が3倍、形状測定精度5μmを確認した。今後、測定面積の拡大、素子の輝度や発光色などを改良するとのこと。/
<自動車> エタノール車開発
富士重工業は、エタノールとガソリンの両方を燃料とする水平対向エンジンを開発した。ガソリンエンジンの燃料噴射・制御装置などの一部を改良し、エタノール比率が85%の「E85」と呼ばれる自動車燃料が使用できる。日産は、現在ブラジルでエタノール比率30%以下のピックアップトラックを販売中。ホンダが年内にも、トヨタは来春にも100%エタノール車をブラジルに投入予定。日本勢が米国メーカーに追撃開始。
<生産> ナノインプリント技術
兵庫県立大学松井真二教授らは、液相の水素化シロキサン(HSQ)を転写材料に用いた新しいナノインプリント技術を開発した。液相HSQレジストに鋳型を1メガパルス程度の低圧で押し付け、溶媒を蒸発して鋳型を外すと、25ナノメートルから300ミクロンの多様な線幅パターンを転写できた。パターンドメディア媒体や光デバイスなどの転写プロセスへの応用が期待できそうだという。
<ロボット> 軽量3輪自転車を試作
三協立山アルミと日本ロボティクス、村山コーポレーション田辺プレスなどは共同で、フレームにマグネシウムを使った前輪駆動・前輪操舵の3輪リカンベント(自転車)を試作した。軽量化と安定性を実現した。リカンベントは主にヨーロッパで普及している自転車の一種で、両足をサドルよりも前にだしてこぐもの。運転者は寝そべった状態になるため空気抵抗が少ないという。
<ロボット> ロボット技術仕様を一般公開
産業技術総合研究所は、これまで開発したロボットの要素技術を組み合わせたモジュールの仕様を一般公開する。ロボット分野への新規参入を検討している企業に使ってもらう。産総研が認定する企業にはモジュール自体も提供するという。
<医用機器> 極細針で幹細胞一個にDNAを挿入
産業技術総合研究所セルエンジニアリング研究部門中村史主任研究員らは、再生医療に使う幹細胞一個にDNA(デオキシリボ核酸)を挿入できる技術を開発した。半導体表面の凹凸を観察するための原子間力顕微鏡の針をイオンビーム法で削って極細の針を作った。太さは径200ナノメートル、長さ10ミクロンで細胞核の1/50。この針にDNAと結合するアミノ酸をくっつけ、幹細胞の核に挿入する。研究・治療用の組織や臓器が再生しやすくなり、再生医療の弱点と言われる細胞のがん化も回避できるという。
このページのトップへ

第55号 2006年06月30日

[概況]
[景気]
内閣府と財務省は、4-6月期法人企業景気予測調査によれば、「2期連続で景況感は悪化したが、先行き判断は良好。」と発表した。
[動向]
<企業>
日立・GEは米で原発を受注。30年ぶりの新設で、受注総額は6000億円
<再編>
鉄鋼の世界第2位のアルセロールは、世界第1位のミタルスチールとの合併に合意。
<環境>
第3次排ガス規制対応機、建機大手6社そろい踏み。
<国際化>
中国では、ハイレックスが自動車用ケーブルを増産、三菱電機とソディックが放電加工機の増産、キーレックスが中物プレス加工を06年末受注開始、タイでは、クボタがコンバインを中国子会社から07年輸出する。ベトナムでは、日本電産トーソクが変速機部品を増産。米国では、シロキ工業が米国自動車部品メーカーの工場を買収して07年1月生産開始。米国と中国では、オギハラが自動車ボディー用金型の営業強化。ルーマニアでは、カルソニックカンセイが自動車用エアコンやラジエーターの工場を建設。欧州では、TCMが大型ホイールローダーを7月生産開始。
[機械技術開発]
<新エネルギー> 新型バイオマス発電の出力55kw
中部電力は、バイオマス直噴燃焼式小型発電システムで出力55kwの発電に成功した。スターリングエンジンと組み合わせたシステムで、間伐材や農業廃棄物などのバイオマスを利用して二酸化炭素の発生を抑える小規模分散電源として期待されるという。9月から実用化に向けて試験運転を開始。
<新エネルギー> 木質バイオマスから水素
東京工業大学花村克悟教授らは、木質バイオマス(生物資源)から、従来法より少ない触媒の量で燃料電池向けの水素を効率よく製造できる装置を開発した。高価な触媒が減る分だけ水素製造コストを抑えられる。今後は装置を小型化して、実際に燃料電池に搭載することを目指すという。
<環境> フル充電80kmの電気自動車
東京電力と富士重工業は、電気自動車の試作モデルを開発した。軽乗用車をベースに定員2人、フル充電で80km走行可能な業務向け車両を製作。200ボルト電源を用いて約15分で電池密度の80%まで急速充電ができる。1台300万円。6年間で3000台の導入を目指す。
<ナノ加工> ナノテクで鉄鋼用耐火物
黒崎播磨は、ナノテクノロジーを活用し、高い耐熱性と断熱性を兼ね備えた鉄鋼用耐火物を開発した。炭素粒子を3次元的に絡み合わせて耐熱性を1.5-2倍に向上、炭素含有量を半分から1/10に減らして断熱性を高め溶鋼を冷めにくくした。年内の製品化を目指す。
<マイクロ> 海底微生物その場で分析
東京大学藤井輝夫助教授らは、海底に生息する微生物の遺伝子を採取したその場で調べることができる解析チップを開発した。DNAの抽出、増幅などの機能を1枚にまとめて小型化した。チップの大きさは縦5cm、横7cm。無人探査機に積み込むことができ、将来は宇宙空間での利用も可能とのこと。
<自動車> 進化するカーナビ
富士通テンは、これまでの「便利機器」としてだけでなく「安全機器」としてのカーナビを発売する。車両前方部に装着したカメラの映像をカーナビ画面に表示し、ドライバーの死角を減らして、視認性を向上させる。右左折時や出会い頭の交通事故を未然に防止する。
<生産> マグネ合金薄板の成形性向上
産業技術総合研究所サステナブルマテリアル研究部門は、マグネシウム合金薄板の成形性を高めるための圧延技術を開発した。薄板を圧延するロールの回転速度を上下で異なるスピードにすることにより、結晶の向きが傾くため成形しやすくなる。今後実用化に向け技術改良を進めるとのこと。
<生産> 液晶導光板をインクジェットで生産
ミヤカワは、液晶画面のバックライトの光を均一に反射する導光板の新たな生産技術を開発した。導光板表面の微小な凸レンズをインクジェット方式で生成。金型を使う方式と比べて、生産時間やコストを大幅に減らした。新技術を使い9月から量産を始めるとのこと。
<ロボット>地雷除去カンボジャで実証
川崎重工業は、地雷を探知して除去する「人道的地雷除去システム」の実証試験を7月からカンボジャで実施する。同システムは、地雷探知センサーや各種カメラを搭載した「地雷探知車」、地雷を掘り出し爆破する掘削ドラムや爆片などの廃棄物回収機構を搭載した「対人地雷除去車」のほか、遠隔操縦装置で構成されている。開発コストはNEDOの補助金合わせて10億円。
<医用機器> 微量血液で病気診断
大阪大学と産業技術総合研究所は、カーボンナノチューブを利用して感度が100倍から1000倍高いバイオセンサーを開発した。センサーは電極間を1本のカーボンナノチューブでつないだ構造のトランジスタを利用。病気になると増えるたんぱく質が他のたんぱく質と結合すると生じるわずかな電流変化を検出して、病気の判別を行う。アレルギー、肝炎などや前立腺がんの判定ににも役立つという。
このページのトップへ

第54号 2006年06月23日

[概況]
[景気]
6月の月例報告で、与謝野馨経済財政・金融担当相は「景気は回復している。」との基調判断を4ヶ月連続で据え置いた。
[動向]
<企業>
ホンダは100%エタノール車を今秋ブラジルに導入する。
<再編>
世界規模で空調業界の再編が進んでいる。ダイキン工業がマレーシアのOYLインダストリーズの買収を表明して世界首位を狙う。
<環境>
バイオマスエタノール燃料で、石油業界と車業界で温度差。石油業界は、植物原料のエタノールと石油系ガスの合成で出来たエチル・ターシャリー・ブチル・エーテル(ETBE)de対応。一方、トヨタ自動車は、エタノールをガソリンに直接10%混合した「E10]対応車を整えた。
<政策>
国際標準化協会(ISO)でナノテクノロジーの標準化が本格化する。「用語・命名法」,「計量・計測」、「健康・安全・環境」の3WG。
<国際化>
中国では、リズム時計工業がメーター・モデュールを7月生産開始、三菱重工業が小型枚葉オフセット印刷機を7月生産開始、GNBが自動車用バルブスプールを年内生産開始、NECトーキンが圧電インバータを増産、ナブテスコが舶用機器事業を拡大。韓国では、旭ガラスがプラズマ・ディスプレイ・パネルを07年5月に増産、INP技術研究所が中・大型圧電機の製造・販売合弁会社を7月稼動開始。ベトナムでは、NOKがOリングを増産。中南米カリブ諸国では、日産がメキシコの会社内に新組織を作り販売強化。米国と中国では、神鋼電機が自動車用電磁クラッチの販売子会社を設立する。
[機械技術開発]
<新エネルギー>太陽電池の新製法を探求
太陽電池の材料になるシリコンの値上がりを受け、低コストで製造できる次世代技術の研究開発が活発となっている。シリコン使用量を低減できる薄膜タイプ(シャープ、カネカ)、化合物半導体を使うタイプ(昭和シェル石油)、有機物系タイプ(太陽電池メーカー大手他、フジクラ、アイシン精機など)などだ。シリコン系大手メーカーはシャープ、京セラ、三洋電機、三菱電機など。
<環境>寿命3倍・導電性6倍の軸受け
NTNは、複写プリンター向けに、同社従来品に比べ寿命が3倍以上、導電性が6倍のトナー定着ローラー支持用軸受けを開発した。新開発の潤滑油を採用、200℃の試験で従来比3倍以上長持ちできた。潤滑油に導電性物質を加えたため導電性は6倍に向上、ローラー表面の静電気がアースされやすくなり、静電気の発生による品質劣化を防止するという。
<ナノ加工> 45ナノ世代のCMOS高速・省電力技術
NECは、CMOSトランジスタの高速・省電力技術に関して、電極組成を最適化することで実用化の目安である10年の長期信頼性実現にメドをつけた。加えて、微細なCMOSを簡単に低コストで作製する技術も開発した。これで45ナノ世代の携帯電話やデジタル情報家電向けシステムLSIの低消費電力と高速処理につながるという。
<ナノ加工> 45ナノ用トランジスタと32ナノ用メモリー試作
富士通は、回路線幅45ナノメートル対応トランジスタの消費電力を下げる技術を開発した。消費電力を従来よりも30%少なくすると言う。東芝は回路線幅32ナノメートル以下向けの「フィンFET(電界効果トランジスタ)」を使ったSRAM(記憶保持動作が不要な随時書き込み読み出しメモリー)を試作し、世界で初めて動作を確認した。
<マイクロ> 高い揮発性の単層カーボンナノチューブ(CNT)膜
東京大学丸山茂夫教授、村上陽一博士研究員らは、高い揮発性を持つ垂直配向単層カーボンナノチューブ(CNT)膜を開発した。単層CNT1本の直径は2ナノメートル前後、膜の厚さは1-30ミクロン。この膜上に水滴を落とすと水滴は元の球形のまま膜上に残るか転がり高い揮発性を示した。MEMSや生体材料向けの高付加価値膜として期待できると言う。
<自動車> 燃費22.5km/lの軽乗用ワゴン
a href=http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_170506_01_j.html>富士重工業は、新型軽乗用車「ステラ」を発売した。ワゴンタイプで、新開発の無段変速機を採用し、同サイズではトップとなる22.5km/lを実現した。価格は、98万7000円~150万5700円。
<生産> セラミックス材料の硬化メカニズムを解明
ファインセラミックスセンター(JFCC)は、電子顕微鏡を使った微細構造解析によって、セラミックス材料が硬くなるメカニズムを解析した。原子配列の乱れたところにイットリウムが入り、強度が強くなることをつきとめた。今後、超硬工具などへの実用化を目指すと言う。
<生産> 炭素繊維で主翼構造を一体成形
カドコーポレーションは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)のプロジェクトに参画し、炭素繊維強化プラスチックでアルミ合金に代わる航空機主翼構造の試作に成功した。真空樹脂含侵法を用いて6mの主翼の下面側を一体成形した。風車羽根や小型船舶構造へは実用化されていたが、航空機は精度が問題。いかに均一に樹脂を含侵せるかがポイントで同社のノウハウが生かされたと言う。
<医用機器> 自律的に伸び縮みするゲル
東京大学吉田亮教授らは、外から刺激を与えなくても一定時間自律的に伸び縮みを繰り返すゲル(ゼリー状物質)を開発した。細胞などを運ぶコンベヤーのような役割を果たす微小機構や人工臓器の筋肉などに応用できるという。開発したゲルはアクリルアミドに金属のルテニウムを結合させた材料。ルテニウムのイオン電荷を変化させる液体中に入れると伸び縮みを繰り返す。
<医用機器> 心筋細胞からポンプ試作
東京大学北森武彦教授、田中陽大学院生らと東京女子医科大学は、シート状の心筋細胞を駆動源にしたポンプを試作した。心筋シートは培養液から養分を吸収して動くので電力が不要。将来、電力源が不要な人工臓器を実現できる可能性があるという。ラットから取り出した心筋を培養して作った心筋シートを1cm角に加工し、基板表面に貼り付け、心筋シート下面にピストンヘッドを備えて、ポンプ機能を作成した。
このページのトップへ

第53号 2006年06月16日

[概況]
[景気]
内閣府は、1-3月期の国内総生産(GDP)の実質成長率を、年率換算で1.9%から3.1%へと大幅に上方修正した。一方、株式市場は米国のインフレ懸念による世界同時株安が続き、わが国では年初来最安値を更新中。
[動向]
<環境>経済産業省のまとめた05年度「エネルギー白書」が閣議決定された。2030年までの目標は、エネルギーの石油依存度40%以下(現在50%)、原子力依存度は現状と同じ30-40%以上に。
<政策>政府は05年度「ものづくり白書」を閣議決定した。開発と生産の一体化を背景に、国内に量産拠点を維持することが重要と指摘している。
<国際化>中国では、日本自動車部品工業会と中国汽車工業会の現地調達率向上を目指して連携強化、島津製作所が受託分析の現地法人を7月立ち上げ、倉敷レーザー・東洋工機・三菱商事のレーザー板金加工会社が6月中旬可動開始。インドでは、デントラインが太陽熱利用簡易型淡水化装置の市場開拓へ、コマツがミニ油圧ショベル生産の検討開始。インドシナでは、山九が陸路輸送の体制整備。
[機械技術開発]
<新エネルギー>廃棄プラスチックから水素
東京工業大学吉川邦夫教授と伸光テクノは、廃棄プラスチックから燃料電池向けの水素を従来の2倍効率よく製造する技術を開発した。切断した廃プラスチックを過熱してガス化し、触媒と水蒸気を加え700℃に加熱すると水素を含む混合ガスが発生する。処理コストを考慮すると、現在主流の化石燃料から水素を作るよりも低コストになるという。
<新エネルギー>省エネ型の小型射出成形機
岩手大学付属金型技術研究センター亀田英一郎教授は、北上精密、サンアイ精機、日精樹脂工業、三重大学などと共同で、微細高精度プラスチック部品用小型射出成形機を開発した。新たなプラスチック溶融機構を開発、射出シリンダーも数分の一と小型化したものを採用。従来の成形機と比べて、バラツキとエネルギー消費を夫々半分に抑えた。07年3-4月に自動車関連産業などに向けて発売予定。
<環境> 油を分解する新微生物発見
早稲田大学木野邦器教授とアオバ・オーガニクスは、油を分解する新しい微生物を発見した。15℃でも働き,豚骨油も分解できるなど効率が高いという。飲食店の下水浄化などに使えると見て、来年の実用化を目指す。これまでの微生物は温度が低いと使えなかったり、油を分解する力が弱かったという。新発見の微生物なら大量の油が出る飲食店の下水道処理ができると言う。
<環境> 省エネ型の小型射出成形機
岩手大学付属金型技術研究センター亀田英一郎教授は、北上精密、サンアイ精機、日精樹脂工業、三重大学などと共同で、微細高精度プラスチック部品用小型射出成形機を開発した。新たなプラスチック溶融機構を開発、射出シリンダーも数分の一と小型化したものを採用。従来の成形機と比べて、バラツキとエネルギー消費を夫々半分に抑えた。07年3-4月に自動車関連産業などに向けて発売予定。
<ナノ加工> 高温超電導で世界最高出力15kw
超電導工学研究所、フジクラ、ジャパンモータアンドジェネレータ、九州大学は、イットリウム系超電導線材を用いたモーターを作製し、15kwと高温超電導モーターとしては世界最高出力を実現した。イットリウム系線材で8種のラジアルギャップ型同期モーターを開発した。実用化すればモーターの軽量化・小型化に拍車がかかる。今後、鉄道、大型帆船、大型空調ファンなど多様な用途へ展開すると言う。
<マイクロ> 光で微小部品駆動
東京電機大学辻裕一教授らは、微小な部品を光で動かす技術を開発した。微小部品に光を照射し、これに伴う熱膨張を利用する仕組み。実験では、全体の大きさが3-4mm四方、一辺の幅が1mm、厚さ数μmの湾曲した十字型の微小部品を作った。この部品の隅に、半導体レーザー光を照射したところ、部品を回転できた。マイクロ部品の加工・組み立てへの応用が期待できると言う。
<マイクロ> ピンセット状の微細機構
横浜国立大学丸尾昭二助教授らは、光を照射して動かし、直径5μmの微小物体をつかんだり離したりできるピンセット状の微細機構を開発した。長さ20μm弱で、ガラス基板上に軸で固定してある。作り方は光硬化性のエポキシ樹脂を液体のままガラス基板上にのせ、近赤外線のレーザーを照射して特定部分だけを固めていく。先端部に酵素を取り付け、DNAを切断するなどの用途が見込めるという。
<自動車> 世界初の燃料電池2輪車
ヤマハ発動機は、静岡県伊東市で世界初の燃料電池2輪車「FC-Me」を公開した。改質器を使わない直接メタノール燃料電池「ヤマハDMFC」の搭載車。最高速度40km/h、出力0.6kw、3.2リットルタンク満タンで約100km走行可能。耐久性やコストの課題を克服して実用化を目指す。
<生産> 誤差2μm以下の放電加工機
牧野フライス製作所は、携帯電話のコネクターや小型レンズの精密金型などに使う型彫り放電加工機「EDAC1」を6月末から出荷する。加工精度プラスマイナス2ミクロン以下の誤差に抑え、精密で微細な加工が可能となった。ボールネジの軸心を冷却して熱による加工精度への影響を防ぎ、超精密加工のための細かな放電が出来るようにした。
<ロボット> 高温のゲルを人工筋肉に
横浜国立大学渡辺正義教授らは、400℃の高温でも性質が変わらないゲル(ゼリー状高分子)を開発した。温度変化によって膨らむゲルの性質を利用し、高温状態で使うロボットの人工筋肉などへの応用を目指す。開発したゲルは陽イオンと陰イオンだけで構成されている「イオン液体」を利用した。レンズ材料のベンジンメタクリエートという樹脂を溶かしゲルにした。従来は水溶液に溶かしたために、水が蒸発する80℃以上では蒸発して使えなかった。
<医用機器> 1000倍高感度なX線CT
筑波大学は、日立製作所、アステラス製薬、高エネルギー加速器研究機構と共同で、従来のX線コンピューター撮像装置(CT)よりも1000倍高感度なX線CTを開発した。従来X線の吸収率を利用していたのを、位相差を利用することで1000倍の高感度分解能と数十ミクロンの空間分解能を達成した。従来は造影剤を用いないと観察が不可能だったがんなどの3次元画像化が可能になると言う。
このページのトップへ

第52号 2006年06月09日

[概況]
[景気]
アメリカのインフレ懸念からと思われる世界同時株安の状態となっている。
[動向]
<再編>ジェイテクトと三井精機工業が提携強化、トヨタ系大同団結へ。
<環境>環境省によれば、サトウキビや廃油などのエコ燃料の導入を2030年に400万klへ。
<政策>06年版「環境白書」を閣議決定。人口減少を上回る世帯数増加が環境悪化をもたらすと言う。
<国際化>中国では、天辻鋼球製作所が軸受け用鋼球を増産、日本特殊塗料は超軽量防音材の生産にのりだす、ヤマハ発動機は表面実装機を直販する。タイでは、日本精機が車用計器類を増産。中国、タイでは、日本プラストがステアリングホイールなどを増産。インドでは、スズキが現地メーカーを誘致して広大な「サプライヤーパーク」を建設。ウクライナでは、ホンダが4輪車や汎用製品などの販売現地法人を設立した。ブラジルでは、クラリオンがカーオーディオの委託生産を開始。米国では、エイチワンが3000トンプレス機を導入して増産へ。
[機械技術開発]
<新エネルギー>風力発電の最適設置用ソフト
西日本技術開発と九州大学応用力学研究所内田孝紀助手らは、風力発電の発電量や設備利用率などを解析できるソフトを開発した。画面上の地図に風車を配置しながら解析し、最適な設置地点を探る。年間発電量の予測値と観測値との誤差は1%以内。価格は40万円
<環境>超電導現象解明へ一歩
東京大学川島直輝教授らと米スタンフォード大学などの研究グループは、絶対零度付近の超低温で物質の磁気的性質が温度変化によって変わる新現象を発見した。バリウムなどの酸化物を絶対零度に近づけたところ、結晶内の特定の方向で、電子の働きにより原子同士の反発・吸引力が徐々に小さくなる現象を確認した。電気抵抗がゼロになる超電導現象の解明につながる成果。
<ナノ加工>たんぱく質で単原子トランジスタの鋳型
奈良先端科学技術大学物質創成科学研究科山下一郎教授らは、電子一つで動く「単原子トランジスタ」鋳型を、遺伝子改変技術を用いてたんぱく質で作製した。たんぱく質を使うことで、水溶液で鋳型を基板電極に選択的に配置できるのが特徴。高額の設備投資やリソグラフィー(露光)など複雑なプロセスが不要で、微細なトランジスタを低コストで量産できる。
<マイクロ>画像計測毎秒1000枚
筑波大学服部利明助教授らは、テラヘルツ波を高出力発生できる大口径光電導アンテナを用い、毎秒1000枚と最速の実時間イメージングに成功した。超高速電荷結合素子(CCD)カメラを用いて実現した。電極間隔を1/3000に縮小し、幅・ギャップを10μmで大きさ10mmX10mmX10mmの櫛型電極を形成したのがポイント。/
<自動車>シリンダー鏡面を効率加工
富士重工業と理化学研究所は、自動車エンジンのシリンダー内径を高効率で鏡面処理する加工法を開発した。加工中に電気分解することで、常に砥石に取り付けたダイヤモンド粒子を表面に露出させ「目立て」した状態にする。鏡面加工能力が倍増すると言う。
<自動車>悪路に強い電気自動車
首都大学東京大学院システムデザイン研究科武藤信義教授らは、車体や周囲の安全性を確保するフェールセーフ構造の電気自動車「前後輪独立駆動型電気自動車(仮称)」を開発した。前輪部には操舵性の良い永久磁石型同期電動機を、後輪部には登坂力や加速性を後押しする誘導電動機をそれぞれ採用したのが特徴。普及に向け、電機・自動車メーカーと共同開発に乗り出す。
<生産>スライダーとレールの互換性高め納期半減
日本精工は、工作機械や自動車製造装置向けに、可動部であるスライダーとレールを自由に組み合わせられるリニアガイド「ローラガイドRA予圧互換シリーズ」を開発した。夫々の在庫を単品で管理できるため納期が半減する。スラーだーやレール、ころなどの寸法精度を高めることで実現できたと言う。
<ロボット>人工筋肉、2倍の力
中央大学中村太郎助教授は、従来の2倍の重さの物体を持ち上げることができるゴム製の人工筋肉を開発した。長さ方向に串を刺すように細長いガラス繊維をたくさん通してあるのが特徴。コンプレッサーで空洞に空気を送り込むとチューブが太さ方向にふくらみ長さが短くなる。20kgの物体を持ち上げることが出来、介護ロボットなどの駆動源への応用が期待できると言う。
<医用機器>先曲がり奥まで届いて、腸閉塞治療
東北大学芳賀洋一助教授らは、先端部が自在に曲がる腸閉塞の治療器具を開発した。ケーブル状の器具で、先端部を形状記憶合金製にした。曲がりくねった胃や小腸の奥深くまで入り込める。緊急時にガスや内容物を吸出し、小腸の壊死を防ぐ。医療機器メーカーと協力して、3-4年後の実用化を目指す。
<医用機器>虫歯治療にCAD/CAM
住友スリーエムは、CAD/CAMを使った虫歯の修復システムを開発した。患者の歯型を画像情報として取り込み、欠けた部分に合う高強度セラミックスの修復物を設計製造する。全国2万の歯科技工所と組んで事業を展開する。/
このページのトップへ

第51号 2006年06月02日

[概況]
[景気]
4月の消費者物価0.5%上昇。6ヶ月連続のプラス。
[動向]
<企業>日系自動車メーカー6社は、中国で強気の販売計画。今年度目標35%増の125万台。
<再編>24日、日本経団連は、新会長に御手洗富士夫キャノン会長を選任した。
<環境>コニカミノルタホールディングスは、化学物質管理の独自認定制度を9月をメドに運用を開始する。
<政策>経済産業省は、化学物質管理の2020年までを見据えたビジョンを作成する。競争力強化が重点。
<国際化>中国では、ダイハツ工業が車体部品製造の合弁会社を設立、豊田通商が生産設備の保全業務などを増強、日本タングステンは不織布向け切断機やタングステン製品の販売会社を今秋設立、デンソーは生産設備と金型を06年秋と07年に生産開始。中国、インド、チェコでは、OBANAが溶接機などの消耗品の迅速な供給体制を確立する。
[機械技術開発]
<新エネルギー>大きさ1/3、30%以上低価格の水素製造装置
東京ガスは、東京ガスケミカル、東京ガスエンジニアリングと共同で、米H2ジェンイノベーションが開発した高性能水素製造装置を導入、実証試験をして07年から国内で商品化する。毎秒50ノルマル立方メートルの天然ガスから水素をうる装置で、燃料電池車や産業用の水素供給ステーションなどへの用途を見込んでいる。価格は3500万円程度。
<環境>バイオマスで発車
松下電器産業は、松下グループ草津地区事業所でバイオマスディーゼル燃料(BDF)車の運行を始めた。当面23台の物流車両で軽油にBDFを20%混合した燃料を使う。これにより年間30トンの二酸化炭素削減を見込む。今後は全国へ取り組みを広げていくとのこと。
<ナノ加工> 無数の微細穴に細胞を吸引固定
東京理科大学早瀬仁則講師、加藤厚子大学院生らは、シリコン基板上にあけたたくさんの微細な穴で細胞を吸引、整列固定できるチップを試作した。このチップは、エッチングでくぼみを形成した後、フッ素の溶液に漬け電気を流して作る。一つの穴は直径100ナノメートル、深さ10-20ミクロン程度。一つの細胞を多くの穴で捉えるため細胞を傷つけずに済むほか、微量の薬液を長時間与えられる。研究開発用ツールとして期待できると言う。
<ナノ加工> DNAの質量分析が精度7倍
慶應義塾大学鈴木孝治教授らは、遺伝情報がのったDNA(デオキシリボ核酸)の質量を従来の7-8倍の高精度で分析できる技術を開発した。シリコンから作った基板を使い、分析にかける試料の結晶の並びがきれいになるようにした。病気に関係する遺伝子が見つけやすくなるという。開発したプレートは、直径30ナノメートル、高さ30ナノメートルの円柱状のプラチナを100ナノメートル間隔に並べた構造。
<マイクロ> ハードディスク駆動装置部品の世界最薄化
日本精工は、ハードディスク駆動部品のピボット・アセンブリーで世界最薄の製品を開発した。今後、携帯電話向けなどで普及が見込まれる。厚さ1.5mmの超薄型HDDに搭載できる。軸受けの構造や素材の改良で、自社従来品より25%薄くした一方、耐衝撃性は25%向上した。07年後半に出荷開始。
<自動車> 脳の血流解析でロボット制御
ホンダは、国際電気通信基礎技術研究所と共同で、脳内の血流を解析して、ロボットを遠隔操作する基礎技術を開発した。MRIで脳内の血流を解析する。脳が発する指令をコンピュータで計測解析し、7秒以内にロボットが同じ動作動作を行なう。5-10年以内にアシモへの搭載を目指す。自動車の安全技術への応用が期待できると言う。
<自動車> 回転抵抗15%低減
NTNは、回転時の抵抗(トルク)を自社従来製品に比べ15%減らし、自動車を低燃費化する軸受け「高密封・低トルクシール内蔵ハブベアリング」を開発した。軸受けの構造と材質を改良した。同軸受けはタイヤと車体をつなぐ車軸制御用の軸受け。価格は自社従来品と同程度。
<生産> アルミの深絞り容易に
名古屋市工業研究所は、生産性を実用レベルまで高めた、アルミニウム合金薄板の部分軟化プレス成形法を開発した。アルミ薄板の任意の部分に加熱した型を当てることで短時間で軟化できるようにした。このため従来の軟鋼材のプレスラインに、軽量なアルミ薄板で深絞りなど複雑形状加工が可能となる。自動車部品などで実用化を目指す。
<ロボット> 脳の電気信号で腕の動き予測
東京工業大学小池康晴助教授らは、サルのわずか18個の脳細胞から電気信号を読み取りうでの動きと位置を予測することに成功した。脳が実際に腕のどの筋肉に働きかけているかを測定しているため、極めて正確に予測できると言う。ロボットの操作や脊髄損傷で下半身が麻痺した患者が歩けるようにする機械の開発につながるかもしれないという。
<医用機器> 糖尿病「膵島移植」の拒絶反応抑制
東京大学佐々木伸雄教授と李禎翼大学院生、国立病院機構・千葉東病院剣持敬臨床研究センター長らは、糖尿病患者に膵臓の細胞を移植する「膵島移植」の際に、拒絶反応を起こらなくする手法を考案した。患者の軟骨細胞をシート状にして重ね、間に膵臓細胞を挟んで移植する。軟骨細胞から分泌されるコラーゲンが移植した膵臓細胞を守る仕組み。動物実験の段階で効果がでれば臨床応用を目指す。
このページのトップへ
プリンタ用画面