週間機械技術

新聞・雑誌やインターネット上の機械技術開発に関連するニュースを独自調査結果と共にお知らせしています。
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第150号 2008年04月25日

[概況]
[景気]
4月月例経済報告、業況判断下方修正:内閣府がまとめた4月の月例経済報告は、国内景気について、企業の業況判断を前月の「慎重さが見られる」から「慎重さが増している」に下方修正した。それ以外の全項目は据え置き。全体の基調判断も「景気回復はこのところ足踏み状態にある」としている。
[動向]
<企業>
工作機械値上げ:森精機製作所は全世界同時に平均2%値上げする。牧野フライス製作所とヤマザキマザックなどは4月受注分から米国向け機種を値上げした。一方、ジェイテクトやオークマは値上げに慎重という。
<再編>
電炉業界再編に向かうか:電炉業界は国内鉄鋼生産の1/4を40社で分け合う。全社が電力料金の安い深夜に操業を絞るほどの供給過剰。一段の鉄スクラップなどの原料高が襲えば、一気に再編に向かうとの見方が強いという。
<環境>
国際的合意難しく、温暖化対策:主要8ヶ国(G8)の経済団体代表が参加した「G8ビジネス・サミット」の声明では、日本が提唱する「セクター別アプローチ」の検討を盛り込み、7月の洞爺湖サミットに向けて、日本政府を後押しする内容となった。しかし、議論の過程で各国の思惑の違いが鮮明となり、国際的合意の難しさが改めて浮き彫りになったという。
<政策>
08年版技術戦略マップ:経済産業省は、主要産業分野の技術と市場の動向をまとめた08年版「技術戦略マップ」の概要を明らかにした。これまでの25分野から「サービス工学」や「コンテンツ」などを加えて29分野としたほか、半導体などの先端製品について日本企業の市場占有率を掲載している。今後ハードウェアとソフトウェアを融合した高付加価値製品の研究開発などを後押ししていくという。
<国際化>
中国では、富士テクニカが金型生産を10月開始、ブリジストンが市販用タイヤ店舗網を12年までに倍増の1700店へ、住友ゴム工業が市販用タイヤ店舗網を7割増やす、横浜ゴムは高級タイヤ専門店の出店を検討する、セラは自動車用ブレーキやエンジン部品など精密プレス加工工場を8月稼動。ロシアでは、日産自動車が小型乗用車事業に9月参入する。メキシコでは、ジャトコが無段変速機(CVT)の第2生産ラインが稼動した、日本精機が4輪車用の計器とその部品の製造販売会社を2社設立した。
[機械技術開発]
<新エネルギー> 色素増感太陽電池が高効率に
米ワシントン大学の研究チームは、色素増感太陽電池の光電変換効率を2倍以上に引き上げる技術を開発した。直径10ナノ(ナノは10億分の1)メートルの酸化亜鉛粒子を直径300ナノメートルの塊にして、基板上にその塊を無数に並べた。塊の内部構造が複雑で表面積が大きいため光を吸収しやすくなる。光電変換効率は6.2%となった。これまでの酸化亜鉛では2.4%であった。今後、11%の光電変換効率を出している酸化チタンに応用すれば、さらに高い効率を引き出せる可能性があるという。ちなみに、シリコン系太陽電池の光電変換効率は18%程度。
<新エネルギー> 太陽電池飛行機を支援
世界の240の航空会社を会員に持つ国際航空運送協会(IATA)は、太陽電池だけで運行する飛行機「ソーラー・インパルス」号の開発を支援する。太陽光発電パネルを並べた同機の最大の課題は軽量化。主翼が長さ61mと欧州エアバス「A340」並みで重さは1.5トン。開発費70億円で、ベルギーの化学大手ソルベイやドイツ銀行などが出資。IATAは、各国政府や空港からの認可取得や物流面で協力する。IATAは支援を通じて航空業界の温暖化ガス排出削減努力のシンボルとしたい考えという。
<環境> 高温超電導電子を観測
自然科学研究機構・分子科学研究所木村真一准教授らと韓国成均館大学などは17日、超電導状態を起こしていると見られる重い電子の観測に初めて成功したと発表した。シンクロトロン光を使った測定装置で実現した。セリウム化合物の中の電子の動き。マイナス230℃以上でも起きる高温超電導の仕組みは解明されておらず、有力な手がかりになるという。
<環境> 燃料消費20%削減、ボーイング787向けエンジン開発完了
GE、IHI、アビオ、ボルボなどは、燃料消費20%削減できる、次世代航空機ボーイング787と747-8向けの最新型エンジンを開発した。エンジンの特長として、バイパス比が10と世界最高水準であり、推進効率の向上、燃費・騒音の低減を図った。バイパス比とは、ジェットエンジンのファンのみを通過し、圧縮機と燃焼器に吸い込まれない空気量と圧縮機と燃焼器に吸い込まれる空気量との比率。バイパス比が高いほど、燃費が良いという。
<ナノ加工> LSI立体配線効率化、ナノインプリント活用
早稲田大学水野潤准教授と凸版印刷、東洋合成工業は、大規模集積回路(LSI)の立体配線の作製工程を大幅に効率化できる基礎技術を開発した。数ナノ(ナノは10億分の1)メートルサイズの凹凸を持つ型を押し付けて微細構造を作るナノインプリント技術を利用した。紫外線で固まる樹脂の溶液をシリコン基板の表面に塗り、透明の石英の型を押し付け、型を通過させながら紫外線を当てて樹脂を硬化。型を外した後に、銅メッキすると水平・垂直方向に張り巡らされた立体配線ができる。「3次元LSI」への応用が有望と見ているという。
<マイクロ> メガネ型網膜走査ディスプレイを開発
ブラザー工業は、大幅な小型化を実現したメガネ型網膜操作ディスプレイ(RID、Retinal Imaging Display)を開発した。インクジェットプリンティングや薄膜アクチュエータ技術などの光MEMSの活用により、体積・重量比1/1,000以下を実現した。目に入れても安全な明るさのレーザー光を網膜に直接当て、その光を高速で動かすことによる残像効果を利用した映像技術。透過型ディスプレイのため、現実の視野と重ねてRID映像を見ることが出来る。例えば、設計図のRID映像を見ながら、製品の組み立てやメンテなどができるという。
<自動車> マグネシウム合金の次世代型製品開発
新潟県工業技術総合研究所は、新たなマグネシウム合金等を活用して、自動車や航空機などの構造部品を開発するための要素技術を開発している(平成19-21年度)。高耐食性を有する表面処理技術の開発として、新規表面処理法など。また、複雑形状付与プレス技術の開発として、パイプ材の曲げ加工技術や板材のプレス加工技術さらには熱制御プログレッシブ温間加工用金型などを開発している。
<生産> ヘッドマウントディスプレイを装着、熟練技能を実現
産業技術総合研究所デジタルものづくり研究センター(松木則夫センター長)らは、対話的加工支援技術の研究に取り組んでいる。これは、組み立てや加工などの製造現場において、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を装着することで、計算機で作成された仮想情報と高度な計測技術により得られた現実の情報をオーバーラップさせ、その時に必要な情報がわかりやすい形でリアルタイムに得られる仕組みである。これにより、未熟練者でも熟練者と同等の高度な作業が可能となる。
<ロボット> 潜水ロボットの開発へ
大日本スクリーンと立命館大学理工学部ロボティクス学科各研究室は、潜水ロボットを共同で開発すると発表した。大日本スクリーンは、ロボットの目となるスキャナーや画像検査、画像処理などの技術を提供。2009年度内に水中探査が可能な潜水ロボットを開発し、実証実験を行う。その他のロボット技術の開発にも取り組む考えという。
<医用機器> 「髪の針」を作成
東洋大学工学部吉田善一教授らは、人間の毛髪を利用した医療用無痛針の作成に成功した。毛髪に金属メッキと樹脂コーティングを施した電極針と毛髪の内部に直径1ミリの中空を空け液体を通す針。電気を通して神経細胞の活動を見る電極用針と、人工透析用の体内に差したまま残す中空針の2種。金属やガラス製の針と比べしなやかで体内で折れにくく、人体由来のため身体への影響がない。製品化へ向けて研究を進めていくという。
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第149号 2008年04月18日

[概況]
[景気]
3月、工作機械受注2.9%増:日本工作機械工業会が9日発表した、3月の工作機械受注総額(速報)は、前年同月比2.9%増の1,412億円となった。
[動向]
<企業>
日本精工、今年度設備投資500億円:日本精工は、08年度の設備投資が500億円程度と高水準。産業機械向け軸受け分野が40-50%で、大型ころ軸受け生産用大型研削盤関係など。中国やインドでは、電動パワーステアリング生産関係など。
<再編>
トヨタ、富士重へ出資拡大:トヨタ自動車は、富士重工業へ17%と出資拡大し協業を本格化する。トヨター富士重―ダイハツ体制へ。技術的には、富士重の「4輪駆動技術」や「水平対向エンジン技術」が魅力。
<環境>
縮む巨大湖、ビクトリア湖:アフリカ最大の湖、ビクトリア湖。水位が下がり、係留されていた筈のボートが陸に上がってしまった。所々の水たまりにはボウフラが湧き、いわば蚊の巣窟になっているという。
<政策>
大阪、企業流出し活力低下:大阪エリアのモノづくり企業の減少に歯止めがかからない。生野区では、事業所数が5年前と比べ3641ヶ所から2737ケ所へ。東成地区では、1787ケ所から1321ケ所へ。地域の活力が低下しているという。
<国際化>
中国では、カネカが自動車用などの発泡ポリプロピレンを今秋増産2400トンから6000トンへ、ダイヘンがインバーター制御溶接機を11年メドに増産12000台から30000台へ。中国とタイでは、今仙電機製作所がシートアジャスターを増産する。インドでは、大田精化工業が成型前材料(コンパウンド)工場を建設09年8月稼動、トヨタ自動車が車両生産の第2工場を建設10年稼動。韓国では、タカタがチャイルドシート3機種を発売した。インドネシアでは、河西工業が自動車用内装トリム(内張り)を08年度中生産開始。ポーランドでは、ニフコが自動車用樹脂部品の第2工場を年内にも建設する。
[機械技術開発]
<新エネルギー> スクリュー式小型蒸気発電機
神戸製鋼所、神鋼商事、神鋼造機、テイエルブイは、小型ボイラの未利用エネルギーを有効活用する小型蒸気発電機を開発した。スクリューに蒸気を送り込むと膨張が起こり、膨張が進むときの圧力差でローターを押す力が発生する。その回転エネルギーを永久磁石発電機で電力に変換する。国内には中小規模の工場を中心に約25万台の小型ボイラが活躍しており、未利用エネルギーの有効活用技術として、日本産業技術大賞内閣総理大臣賞を受賞した(2008年4月15日)。
<環境> 衝撃に強いバイオ樹脂
産業技術総合研究所大石晃広主任研究員らは、生分解性樹脂を組み合わせて、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂より衝撃に強い樹脂を開発した。生分解性樹脂のポリブチレンサクシネート(PBS)とポリエチレンサクシネートが鎖状に長くつながった共重合体になるように工夫した。将来は、植物などを原料にしたバイオ素材だけで製造可能と見ており、自動車や家電に広く使われているABS樹脂の代替材料として実用化を目指すという。
<環境> ジャム状で沈ませる、CO2の深海底貯留
海上技術安全研究所や産業技術総合研究所は、温暖化ガスの二酸化炭素(CO2)を深海の底へ効率よく送り込む技術を開発した。火力発電所などが排出するCO2を液体やドライアイスの粒に冷やし、ジャムのような状態に混ぜ合わせて海上から投入。それ自体の重さで深さ3,500m以上に沈める。将来、有望と見て応用の道を探っていくという。
<ナノ加工> 老化物質出さず紫外線を防ぐ
兵庫県立大学加藤太一郎助教らは、皮膚の老化の原因となる活性酸素を殆ど発生しない酸化チタンの化合物を開発した。開発したのは長さがナノ(ナノは10億分の1)メートルサイズの筒状の酸化チタンナノチューブから合成した化合物。酸化チタンは紫外線を反射するので日焼け予防に効果があるが、紫外線が当ると周りの有機物を分解して酸化チタン周辺から老化物質の活性酸素を発生する問題があった。日焼け止め化粧品などの材料として使用可能と見ているという。
<マイクロ> 板バネの微細振動で演算
NTTは、トランジスタの集積回路(IC)より消費電力を1/1,000-1/10,000に抑えた半導体素子を開発し、1ビット分の情報処理に成功した。原理は、水平に置いた板バネの両端をつかんで押したり引いたりする際に上下に振動する現象を電気信号として利用する。試作実験した板バネは、長さ250ミクロン(ミクロンは1/1,1000mm)、厚さ1.4ミクロン。幅約10ナノ(ナノは1/1,000ミクロン)。理論上は、1平方センチ当たり1ギガ(ギガは10億)ビットの集積化と100メガヘルツの処理速度に速められる。但し、従来のICより性能が低いので省電力用という。
<自動車> 高効率NOx分解浄化電気化学リアクターを開発
産業技術総合研究所先進製造プロセス研究部門機能モジュール化研究グループ濱本孝一研究員は、電極をナノ構造化することで、ディーゼル車の排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)を低温で高効率に分解浄化する電気化学リアクターを開発した。電気化学リアクターとは、燃料電池のようにイオンが透過できる固体電解質の両側に配置された電極(陰極と陽極)の間で化学エネルギー/電気エネルギーの直接変換する装置。本研究成果は、2008年4月21日から25日に開催されるドイツの「ハノーバー・メッセ2008」に出展予定という。
<生産> マグネシウム合金の旋削加工について
京都府織物・機械金属振興センター機械電子室鎌田和彦専門員は、マグネシウム合金の切削加工の実験を行い、諸課題を明らかにした。マグネシウム合金の被削性は極めて良好であるが、送り量により加工面がざらざらした梨地肌になる傾向が見られた。また、切りくず火災実験では、乾燥切りくずは燃焼が緩慢であったが、水溶性切削液や水に濡れた切りくずは燃えやすく危険であった。さらに、切りくずの廃棄物処理として焼却処理やリサイクルのための固形化処理が可能なことを明らかにしている。この結果を背景に、現在当センターは、「精密鍛造に関する研究」を進めている。
<生産> 作成時間を半減、NCプログラム
牧野フライス製作所は、数値制御(NC)装置のプログラム作成時間を従来に比べて半減できる金型加工用の三次元CAM(コンピュータによる製造)ソフトを開発した。自社開発の金型加工用三次元CAMソフト「FF/cam」を10年ぶりに刷新、「バージョン7」として発売する。工具の動きを設定する際、入力したデータをさかのぼって修正する必要があった作業を、CAM上で簡単に行えるようにした。工具1本あたりの経路作成に6-10分かかっていた作業が3分程に短縮できる。この三次元CAMソフトの価格は280万円。年間180システムの販売を目指すという。
<ロボット> 必要データ量1/70に、携帯案内サービス
NTTは、携帯電話の画面上で、操作の仕方やサービスを説明するアニメキャラクターを、少ないデータ容量で自在に動かせる技術を開発した。キャラクターの動きを制御する独自プログラムによって、画面全体ではなくキャラクターの動きに関するデータだけをダウンロードする。実験ではダウンロードに必要なデータ量が約1/70に減少。ロボットの情報処理機能の向上など幅広い活用が見込めるという。
<医用機器> マイクロバルブの試作
弘前大学大学院理工学研究所岡崎禎子教授と並木精密宝石斉藤千尋氏は、磁気を使って微小な気体流量を制御する装置「磁気マイクロバルブ」の試作品を完成した。磁場によって伸縮する磁歪合金を動力源に利用。微小空間で微小な流量を制御するマイクロバルブは、水素を燃料とする小型燃料電池や点滴などの医療デバイスへの応用などが期待できるという。
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第148号 2008年04月11日

[概況]
[景気]
アジア経済成長率7.6%:アジア開発銀行(ADB)は2日、日本とオーストラリアを除く、アジア・太平洋44ヵ国・地域の2008年実質経済成長率は7.6%との見通しを発表した。
[動向]
<企業>
日本精工、液晶露光装置に参入:日本精工は、液晶パネルのガラス基板に回路を作る薄膜トランジスタ(TFT)用露光装置事業に参入する。これまで、ニコンとキャノンの独占市場。
<再編>
JFEとIHI、造船事業統合協議:JFEホールディングスとIHIは8日、造船事業統合の検討に入ったと発表。早ければ、09年にも統合会社を発足させる。
<環境>
南極変色、半世紀で3℃上昇:南極では、スノーアルジーと呼ばれる藻類が大発生して氷河がピンク色に染まり、ペンギンの営巣地にはぬかるみや水たまりが目立つ。年平均気温は半世紀で約3℃上昇した。
<政策>
環境戦略、視界開けず:日本提案の「セクター別アプローチ」は、今のところ評判が悪い。この方式は、産業・分野ごとに省エネ技術水準を決め、先進国から途上国への技術移転で温室効果ガスの排出量を減らすというもの。途上国からは削減義務につながると反発され、EUなど先進国からは削減必要量に届くか疑問視されているという。
<国際化>
中国では、ユーシン精機が射出成形機向け取り出しロボットを9月生産開始、武蔵精密工業が4輪車部品を今秋生産開始、入江工研が高速鉄道車両向け部品を9月生産開始、ペガサスミシン製造が自動車用安全ベルト巻取り装置に使うアルミダイカスト部品生産工場を完成した。インドでは、日立製作所がエレベータなど昇降事業の営業を開始した、アマダは板金機械の販売・サービスを強化する、アイダエンジニアリングとコマツはプレス機械などの販売拠点を開設した、三菱電機はレーザー加工機を売り込む。ベトナムでは、ニチリンが自動車用ホースを09年度生産開始。タイでは、ニチダイがディーゼルエンジン用可変ノズルの生産会社を4月中に設立。インドネシアとブラジルでは、武蔵精密工業が4輪車部品を増産する。ロシアとインドでは、双日が産業機械や自動車向けベアリングの販売開拓に乗り出す。米国では、ヤンマーが建設機械の販売強化12年メドに年5000台へ、トヨタ自動車が環境・安全技術など先端研究所を開設した(35人規模)、東芝が加圧水型軽水炉(PWR)原子力発電4基を受注した(1兆4000億円)。
[機械技術開発]
<新エネルギー> 燃料電池航空機の飛行実験成功
スペインにあるボーイング社研究センターは3日、燃料電池を使った航空史上初の飛行実験に成功したと発表した。重量800kgの小型プロペラ機。パイロット1人が搭乗して高度1000mまで上昇した後、燃料電池の動力で、約20分間、時速100kmで飛行した。同センターのエスカルティ所長は、「大型旅客機の動力源になる見込みはないが、小型機では主流になる可能性がある」と語ったという。
<環境> 無機バインダー、環境負荷低減セラミックス製造技術
産業技術総合研究所先進製造プロセス研究部門先進焼結技術研究グループ長岡孝明主任研究員は、セラミックス焼結用バインダーとして、環境負荷を低減する無機バインダーp-アルミナを発見し、アルミナ粒子の押し出し成形に成功した。これまでの有機バインダーでは、焼結に大量のエネルギーが必要となり、二酸化炭素(CO2)の排出やセラミックス内への灰分や炭素分の残留といった問題があったという。
<環境> 消費電力3割減、ハロゲンランプ
ウシオ電機は、半導体の成膜工程の熱源に使うハロゲンランプで、消費電力を3割削減できる新技術を開発した。ランプ内に3本のフィラメントを入れ、夫々が中央と左右の部分を加熱する方式を採用。それを個別に制御することで効率的な加温が出来るほか、半導体基板の熱のムラを防いで歩留まり向上が見込めるという。
<ナノ加工> 微細な穴、規則正しく
物質・材料研究機構と早稲田大学は、微細な穴が規則正しく空いたファイバー状の金属を作る手法を開発した。金属を含む材料に界面活性剤や溶媒のエタノールを混ぜて、細長い穴を無数に開けた陽極酸化ポーラスアルミナの鋳型に入れる。その中で金属を析出させると穴の向きに規則正しく直径2ナノ-20ナノ(ナノは10億分の1)の穴の空いた金属ファイバーができる。穴の直径などが容易に制御でき、多様な金属で使える。燃料電池の電極やバイオセンサーなど幅広い分野での応用が期待できるという。
<マイクロ> ミクロの粒子、結核退治
東京理科大学牧野公子教授と大塚製薬などは、薬を患部に狙い通り届ける「DDS(ドラッグ・デリバリー・システム)技術」を応用して、結核薬候補物質を開発した。既存薬と同じ成分を乳酸やグリコール酸で包んだ直径3ミクロン(1ミクロンは1/1000mm)の微粒子が細胞内に隠れた結核菌を攻撃する。3ミクロンの大きさが、結核菌を取り込んでいる貪食細胞が食べやすい大きさだという。
<自動車> リチウムイオンの位置、電子顕微鏡で観察
ファインセラミックスセンター(JFCC)ナノ構造研究所幾原雄一客員主管研究員らと韓国の仁荷大学は、リチウムイオン電池の性能を決める化合物の正極活物質中の同イオンの位置を電子顕微鏡で観察することに成功した。リチウムイオン自体は微細すぎて観察困難なため、鉄イオンに置き換えて観察しリチウムイオンの位置を特定できた。ハイブリッド自動車用バッテリーとして開発が進むオリビン型と呼ばれる正極活物質を対象とした。電池の劣化などの解明につながるという。
<自動車> 燃料の多様化に対応、すべり軸受け
NTNと名古屋市工業研究所は、耐食性と耐摩耗性に優れるすべり軸受け「ステンレス焼結含油軸受け」を完成した。潤滑材として硫化マンガンを配合した。自動車燃料タンク内のポンプは青銅系の軸受けが主流であり、バイオ燃料や粗悪ガソリン使用ではポンプに腐食が生じる恐れがあった。主として、自動車分野への採用を提案していくという。
<生産> 座面にセレーションを有する極小ネジの圧造プロセスに関する研究 第1報、第2報
鹿児島県工業技術センター牟禮雄二氏、小中浩史氏、東俊浩氏、馬見新宗徳氏、杉山一雄氏は、ネジの緩み防止のためのセレーション(ネジ頭部座面への異形要素)を付与する最適形状について、成形性(加工荷重、塑性ひずみ、欠陥の有無等)を評価関数とした場合(第1報)と金型内部応力を評価関数とした場合(第2報)について計算機シミュレーション実験を実施した。その結果、予備成形で穿孔と平面と傾斜面での据え込みを同時に実施する予備成形パンチ形状が最適解であると結論付けられたという。
<ロボット> 人工知能使い汚れ検知、掃除ロボット
米技術開発ベンチャーアイロボットの掃除ロボット「ルンバ」が快走している。2002年の発売以来、世界40ヶ国以上で累計250万台を販売。軍事用ロボットなどに使う人工知能の技術を転用し、部屋の状況を判断して掃除する。日本市場のニーズに対応して、静粛性を重視した機種も売り出した。価格は8-10万円。今後は危険な作業や重労働を代替するロボットや介護などの家庭用ロボットにも進出するという。
<医用機器> 気管支の3次元解析システム
北海道大学西村正治教授らとAZEは、複雑に枝分かれした気管支のひとつひとつまで画面上で再現する。空気が通る空洞部は壁の部分に比べごくわずかにX線の透過量が多いことだけが手がかり。コンピュータ断層撮影装置(CT)で両肺を撮影した約1000枚の3次元データを解析、空気の通り道を探してくれる。実用化で期待されるのは、慢性閉塞性肺疾患の診断で、国内潜在患者数は530万人でその大半が治療を受けていないという。
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第147号 2008年04月04日

[概況]
[景気]
3月日銀短観、4年3ヵ月ぶり低水準:日銀が1日発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)は、景況感が軒並み悪化し、なかでもけん引役の大企業製造業の業況判断指数(DI)は+11(昨年12月調査は+19)と2期連続で悪化し、03年12月(+7)以来4年3ヵ月ぶりの低水準となった。
[動向]
<企業>
三井精機工業、08年度受注横ばい見込む:三井精機工業阿部忠之社長は、「大型・高精度機は相変わらず忙しく08年度の受注額は07年度と横ばいの200億円前後を見込む。また、円高対策は納期短縮。」と述べた。
<再編>
タタ自動車がジャガーとランドローバーを買収:インドのタタ自動車が、米フォードモーター傘下の英ジャガーと英ランドローバーを買収することが決まった。売却総額2600億円。
<環境>
06年度温室効果ガス排出量、電力・鉄鋼上位に:環境省と経済産業省は28日、地球温暖化対策推進法の報告制度に基づき温室効果ガスの排出が多い企業名と06年度排出量を初めて公表した。①東京電力6888②JFEスチール6024 ③新日本製鐵5433 ④中部電力4732 ⑤Jパワー4356 ⑥東北電力3413 ⑦中国電力2546 ⑧住友金属工業2214 ⑨九州電力2129 ⑩関西電力2048 単位は万トン。二酸化炭素換算。
<政策>
バイオ燃料40円/lへ:経済産業省と農林水産省が07年11月に立ち上げた「バイオ燃料技術革新協議会」(経済産業相の私的懇談会)が26日開かれ、セルロース系の自動車用バイオ燃料を「1リットル当たり40円」の低価格で生産するための条件などを公表した。
<国際化>
中国では、小出鋼管が自動車等用精密鋼管を09年6月めどに生産能力10倍へ、松下溶接システムが溶接機の生産能力を10年メドに5割増、三菱重工業が自動車用過給機を11年までに年10万台へ増産、IHIが自動車用過給機を12年メドに年20万台へ増産。タイでは、昭和電工がカーエアコン用熱交換器生産を8月メドに倍増160万台体制へ。タイと中国では、ヨロズがサスペンションなど自動車足回り部品生産を拡大する。インドでは、コマツとTCMや豊田自動織機がフォークリフト事業を加速する。マレーシアでは、スズキが4輪車販売会社に資本参加。ブラジルでは、川崎重工業が丸紅と共同で鉄鋼会社から大型発電設備を受注した、トヨタ自動車がカローラ(セダン)を全面改良し発売開始した。米国では、東芝がテキサス州から改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)原子力発電所の主契約者に選定された(8000億円)。アラブ首長国連邦(UAE)では、大成建設がドバイ都市部交通システム(鉄道工事)を受注(2280億円)、清水建設が19階建て高層マンションを受注(540億円)、竹中工務店がドバイ国際空港第3ターミナルを受注(1020億円)。
[機械技術開発]
<新エネルギー> 水素製造光触媒の開発
青森県工業総合研究センターは、県産鉱物資源「ベンナイト」の構造特性(層構造)を生かし、水や炭化水素から水素を作る新規機能性を持ったナノ複合化材料(光触媒)を開発している。(平成19-20年度)。粘土鉱物「ベンナイト」の層状構造の間に光触媒ナノ粒子を分布させる。ベンナイトは、自然界に存在する鉱物で、青森県内推定量1,400万トン、止水材としての用途が主であると言う。
<環境> バイオエタノール、回収率95%以上
研究開発ベンチャーの超音波醸造所は、超音波で霧化したバイオエタノールなどの回収効率を高める技術を開発した。新技術は、ミクロン(ミクロンは1/1000mm) サイズの泡を発生させる「マイクロバブル」を活用した。超音波振動で発生させたアルコール濃度の高い霧を、マイクロバブルが発生している溶液内を通すことで高い回収率を実現した。30%に止まっていた回収率を95%以上に引き上げた。2008年度中の製品化を目指すという。
<ナノ加工> 銅ナノ粒子、安く作製
長岡技術科学大学末松久幸教授、新原皓一特任教授らは、ナノ(ナノは10億分の1)メートルサイズの銅微粒子を安価に作る技術を開発した。細い銅線に大電流を流して蒸発させた後、一気に冷やして微粒子を作る。ヒーター加熱する従来技術に比べて1/10程度のコストで作れる。半導体用のプリント基板上の配線加工に利用できると見ている。企業と研究を進めており、2年程度での実用化を目指すという。
<マイクロ> 吹きつけコーティング、超高分子量プラスチック
物質・材料研究機構川喜多仁主任研究員らは、超高分子量ポリエチレンなど分子量の大きなプラスチックを構造物の表面にコーティングする技術を開発した。音速の2倍ほどのスピードで、直径50ミクロン(ミクロンは1/1000mm) 原料粉末を吹き付ける。これまで困難であった分子量の大きなプラスチックで材料表面を被膜し、建物や船に使う金属などの材料の耐摩耗性や耐衝撃性を高められるという。
<自動車> 白金半分に、固体高分子型燃料電池
日立マクセルは、燃料電池向けに、触媒に使う白金の使用量を従来のほぼ半分に減らせる技術を開発した。水素を燃料に使い高出力が特徴の固体高分子型燃料電池向けで、価格が高騰している白金に金を混ぜて微粒子化して実現した。触媒としての性能を上げて白金の使用量を減らし、低価格化につなげる。自動車や家庭用電源向けに2010年の実用化を目指すという。
<生産> 設計・製造期間最短9日間に、レンズの金型
カメラレンズ事業大手のタムロンは、デジタル一眼レフカメラ用交換レンズの製造などで用いる金型の設計・製造期間を大幅に短縮する。開発から設計までの工程をコンピュータで一元管理できる生産システムを構築するとともに、金型加工を高速化した。2009年には150の金型を9日間に短縮することを目指すという。
<生産> インクジェットで電極
東京大学染谷隆夫准教授と関谷毅助教らは、インクジェット印刷技術を使って有機半導体層の上に金属電極を作る技術を開発した。1フェムト(フェムトは千兆分の一)リットルの液滴を吹き出せるインクジェット技術と直径2-3ナノ(ナノは10億分の1)ナノメートルの銀粒子を溶かしたインク、独マックス固体研究所の開発した薄い絶縁層を作る技術を組み合わせて実現した。真空中の高温環境で作るよりも微細な電極を大気中かつ室温環境で作れる。大画面の有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)テレビなどに使えそうだという。
<ロボット> ダイナミックマニピュレーションに関する研究
大阪大学大学院金子真教授は、高速ハンドと高速ビジョンを使用し、並進・回転運動する棒状物体に対し、指先と対象物との間の接触摩擦に依存しない動的捕獲戦略を構築し、実験的に検証している。その他、釜焼きピザ職人の操り技術からヒントを得た「高速視覚支援による単一グリッパダイナミックマニピュレーション」。「粘弾性物体の最適ハンドリング」など、さらには「ハイパーセンシング」や「医療応用」など幅広く展開している。
<医用機器> 複数の反応を測定する微小チップ
産業技術総合研究所は、細胞と複数の薬品の反応を簡単に調べられる微小チップを開発した。開発したチップは、幅25mm、長さ75mm。表面には流路や薬品をためる微小な部屋を並べた。細胞や8種類の薬剤は夫々の部屋に蓄える。溶液に圧力をかけて流し込む量を調節して反応を制御する。新薬候補物質を探すスクリーニング方法として、企業を募り実用化を目指すという。
<医用機器> 硬質炭素で被膜、血栓抑制
東京大学高橋孝喜教授と慶応大学鈴木哲也教授、川澄化学工業などは、血管治療器具のステントの表面を硬質炭素で被膜して、血栓(血の塊)を付きにくくする技術を開発した。ステントは、心筋梗塞などで詰まった血管の中に入れて血が流れるようにする網目構造の筒状の医療器具。フッ素ガスを加えた装置内でプラズマを使い、ステントの表面を硬質炭素材料の「ダイヤモンドライクカーボン」で覆う加工技術を開発した。ステントから複数の薬剤が放出されるよう改良して早期の実用化を目指すという。
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第146号 2008年03月28日

[概況]
[景気]
国内景気、「踊り場」から「悪化」へ:日刊工業新聞社の景気定点観測調査(大手企業100社、中堅・中小企業100社)によると、足元の景況感が「下降」とする企業は、大手と中堅・中小合計で81社と、前回の07年9月調査の12社から7倍弱に急拡大した。
[動向]
<企業>
造船業界、受注好調も鋼材値上げが懸念:日本の造船業界は2011年前後までの受注を抱えて好調。しかし、川崎重工業の場合、1年間に使う鋼材は20万トン、1トン当たり2万円の鋼材値上げで、07年度の40-50億円の経常利益が吹き飛ぶという。
<再編>
独ボッシュと独マーレ、車用過給機市場へ参入:独ボッシュが独マーレと組んで自動車用ターボチャージャー(過給機)市場に参入する。米ハネウェル、米ボルグワーナー、三菱重工、IHIの4強の寡占市場に異変が起きるかもしれないという。
<環境>
温暖化対策、中堅・中小の2割が未着手:日刊工業新聞社の定点観測調査(上記)によると、省エネ機器の導入など大手企業は何らかの取り組みをしているが、中堅・中小企業の2割は温暖化対策に未着手という。
<政策>
革新的な技術開発を支援:政府の経済財政諮問会議は18日、革新的な研究開発に主眼を置く新しい特区制度の創設を決めた。先行プログラムとして、08年中に先端医療技術開発を目指す特区を設置し、09年度から他の研究分野も加えて本格実施するという。
<国際化>
インドでは、日本企業専用の工業団地にブレーキの日進工業(08年10月)、シート部品の今仙電機(09年8月)、エンジン部品の帝国ピストンリング(09年7月)、樹脂材料の三井化学(09年4月)、樹脂材料の三菱化学(09年4月)、業務用空調機器のダイキン工業(09年3月)など6社が進出する。中国では、ナブテスコが建設機械用モーターを10年3月期までに2割増産、JFEスチールと伊藤忠丸紅鉄鋼がドリルパイプの生産を09年メドに6割増産、Jパワーが石炭火力などの発電事業を拡大する。中国とハンガリーでは、エクセディが4輪車向けMT(手動変速機)の工場拡張を計画。タイでは、OKKが自動工具交換装置の部品生産など工作機械事業を拡大する、アキュレイトがバネ製品を4月1日販売開始。ベトナムでは、日本トムソンが2輪車用ベアリングなど日本から2割生産移管、三菱重工業が船舶修理事業に09年メドに参入。韓国では、トヨタ自動車がレクサスに加えて「カムリ」など3車種を09年後半から販売開始。ロシアでは、日本車輌製造と双日が貨車製造設備を受注(75億円)。米国、中国、タイでは、村上開明堂が自動車用バックミラーの生産を拡大する。
[機械技術開発]
<新エネルギー> 変換効率18%、薄膜シリコン太陽電池
東京工業大学小長井誠教授らは、薄膜シリコン型太陽電池の光電変換効率(光を電気に変える効率)を、これまでの最高よりも4ポイント高い18%に引き上げた。次世代太陽電池の有力候補である三層タイプ薄膜太陽電池向けに、これまでより3-4%高い電圧を出せる膜の作成に成功。少ない量のシリコンで済む薄膜太陽電池へのシフトが進むと見られているという。
<環境> CO2を30%削減、環境対応型船舶開発へ
三井造船は、二酸化炭素(CO2)排出量を同社従来品に比べ約30%削減する環境対応型船舶を開発する。4月中にも建造全船種の中から船種を絞り込み、燃費を向上する船首の形状やプロペラなど総合的に設計・開発する。航空機と船舶は京都議定書の環境対象製品から除外されているが、いずれは取り組むことなので先行開発を行うという。
<ナノ加工> サブナノメートルの高速走査に挑む
秋田県産業技術総合研究センター高度研究所森英季氏、宮脇和人氏、櫻田陽氏は、10μm四方のX-Y平面を高速(10nmの目標値に対して約0.2msの立ち上がり時間)に走査し、1nmの位置決め精度を実現するアクチュエーターを開発した。但し、1μmは1/1000mm。1nmは1/1000μm。1msは1/,000sec。秋田県の保有する特許(3612670号)を適用することで、共振周波数を30%向上させながらピーク振幅を1/10まで減衰することで、制御性能を飛躍的に向上させる。マイクロマシンの加工・組み立てや半導体や液晶関連製造の検査装置など幅広い分野で利用できる。さらに動作領域を100倍に拡大、位置決め精度0.1nmを目指すという。
<ナノ加工> バイオ使いナノ構造半導体
松下電器産業、東北大学、東京工業大学、奈良先端科学技術大学院大学、大阪大学は、バイオ技術を用いて、これまでの半導体プロセスでは困難であった数ナノ(ナノは10億分の1)メートルの超微細構造半導体形成法を開発した。金属化合物を内包するフェリチンたんぱく質をシリコン基板上のチタンの回路パターンに吸着させると、フェリチンが自発的に並び、7ナノメートル以下の微細構造を形成する。切手サイズで1テラバイト(テラは1兆)の記憶容量を持つ大容量メモリー開発につなげるという。
<マイクロ> 変換効率18.6%、多結晶シリコン太陽電池
三菱電機は、受光表面に独自加工を施して光電変換効率を18.6%と従来品より0.6ポイント引き上げた。レーザーで150mm角の受光表面に直径約10ミクロン(ミクロンは1/1000mm)の穴を1億個開け、光を反射せず吸収できるようにした。2010年以降の量産を目指すという。
<自動車> 貴金属減らし、排ガス浄化
日産自動車は、浄化性能を保ちながら白金やロジウム、パラジウムなどの貴金属使用量を半減した排ガス浄化触媒を開発した。貴金属の粒を直径数ナノ(ナノは10億分の1)メートルの小さな粒にし、貴金属が排ガスに触れる表面積を大きくして実現した。この新型排ガス浄化装置を搭載した乗用車を2008年度にも発売する。新日鉄マテリアルズは、ナノレベルの組織制御で、貴金属の使用量を7割削減できる2輪車向け鉄系酸化物を使った触媒基材を開発した。 ホンダ系のエフ・シー・シーは、紙に貴金属を混ぜた触媒で、白金などの使用量を9割程度削減できるという。
<自動車> 燃費向上のころ軸受け
ジェイテクトは、自動車の自動変速機(AT)などに使う新タイプの軸受け「低トルクスラスト針状頃軸受け」を完成した。保持器の形状を工夫して、ころを点接触に近い形で保持し、摩擦抵抗を低減し回転トルクを減らした。回転中のトルクを従来比50-60%削減した。燃費効率を改善できる。09年中の採用を見込むという。
<生産> 旋削工具、加工効率最大8倍
超硬工具メーカーのタンガロイは、加工効率を最大8倍に高めた新工具「ターニングエックス」を発売した。旋盤に取り付けた円柱状の部品の外径を加工する工具。チップの形を従来のひし形から複雑な形に変え、旋削対象物に当る面積を大きくしたほか、チップの厚みを7mmにした。これにより、工具を取り付ける刃物台が回転しながら前後する距離を、これまでの8倍となる1回転あたり2.5mmに上げても大きな負担がかからずスムーズに加工できるようになったという。
<ロボット> リムメカニズムロボットの開発
大阪大学大学院新井健生教授は、昆虫にまねて6本足で歩行し、場合に応じて2本の足を「腕」として用いるリムメカニズムを開発している。昆虫の腕と脚の機能を併せ持つ概念を「肢(リム)」という。全長0.5m。23cmの段差をよじ登る。0.5m/secの走行を実現。力、熱、角度センサーやカメラなどが埋め込まれているので、人が近づけないところの保守点検作業などへの活用が期待できるという。尚、新井教授は、ナノ・マイクロマニュピレーション、デスクトップバイオプラント、ヒューマノイドロボット、ハブティスクインタフェース、VRを用いた安心感評価、モニタリングなど幅広く研究を展開している。
<医用機器> 究極の内視鏡
経済産業省の「インテリジェント手術機器研究開発プロジェクト」は、名古屋工業大学藤本英雄教授を中心にオリンパスやペンタックスなどが参加して、07-11年度の5年計画で実施されている。内視鏡手術で初期のガンをこれまでより正確に摘出し、転移を減らすことを狙う。内視鏡の先端に複数のセンサーを取り付けて、触覚情報などを得る。これまでに、「硬さ」や「ぬるぬる」、「ざらざら」などの触感の把握と再現に成功しているという。
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第145号 2008年03月21日

[概況]
[景気]
3月の景気、「踊り場入り」:太田経済財政担当相は19日、3月の月例経済報告後の記者会見で、景気が一時的に停滞する「踊り場」に入ったと述べた。しかし、「戦後最長の景気拡大が途切れたとは見ていない」との認識を示した。
[動向]
<企業>
超硬工具、需要安定で大型投資継続:超硬工具の世界最大手スウェーデンのサンドヴィックは2010年までに工場の設備増強に100億円を投じると発表。
<再編>
鉄鋼、ミタルの脅威再び:このところの株価の下落で、新日鉄の時価総額は3兆円余りと世界最大手の鉄鋼メーカーアルセロール・ミタルの1/3以下になった。ミタルなどの巨大外資や政府系ファンドによる買収懸念が高まっている模様。
<環境>
温暖化ガス排出ランキング、鉄鋼がズラリ:国内の06年地球温暖化ガス排出ランキング。①JFEスチール6,014万トン(4.48%) ②新日本製鐵5,928(4.42) ③住友金属工業2,214(1.65) ④神戸製鋼1,742(1.30) ⑤太平洋セメント1,455(1.09) ⑥新日本石油精製1,053(0.79) ⑦住友大阪セメント928(0.69) ⑧三菱マテリアル843(0.67) ⑨宇部興産877(0.65) ⑩日新製鋼836(0.62) 単位は万トン、カッコ内は06年国内総排出量13億4100万トンに占める割合%。
<政策>
省エネ技術開発など連携確認:千葉市で開催されていた地球温暖化に関する20ヶ国閣僚級会合(G20)は、7月の北海道洞爺湖サミットに向けての議長総括を16日発表した。日本の提案する積み上げ方式は継続審議とし、「革新的技術の研究開発や移転に関する国際連携の拡大とロードマップの必要性」が共有されたという。
<国際化>
中国では、東陽テクニカが電波の測定装置事業に本格参入する、アーレスティがアルミ用鋳造部品の第2拠点建設のため08年メドに土地確保、東海ゴムが自動車用ホース工場を移転・拡張し12年メドに背三倍増、IHIが自動車用過給機(ターボチャージャー)工場を09年までに建設、ダイキン工業が2段ターボ冷凍機を09年生産開始、日新精工が第一汽車から樹脂エンジン部品を初受注した。タイでは、東郷製作所がゴムホースとパイプを固定するクリップを増産する。インドでは、ホンダが2月末に生産の力10万台に倍増。ベトナムでは、住友商事が2番目の工業団地の起工式を催した。タイとインドネシアでは、マルカキカイが工作機械の保全サービス事業に参入する。ロシアでは、ガリバーインタナショナルが中古自動車市場へ09年メドに本格参入。英国では、トヨタ自動車が1300ccの小型エンジンを09年後半から生産、天辻鋼球製作所が鋼球の生産能力を約20%拡大した。メキシコでは、三井物産が液化天然ガス(LNG)の受け入れ基地の建設・運営事業を受注した(920億円)、池上金型工業が樹脂金型の表面処理事業に6月メドに乗り出す。カナダでは、ホンダがシビックを増産する。ティモール海では、国際石油開発帝石ホールディングスが原油の存在を発見。
[機械技術開発]
<新エネルギー> マグネシウムを精錬してエネルギー源に
東京工業大学矢部孝教授らは、ほぼ無尽蔵にあるマグネシウムを太陽光で励起したレーザーで精錬し、エネルギー源として使う試みを推進している。太陽光からレーザーへの変換効率は1%とまだ低いので、10%を目指す。20,000℃の超高温のレーザーを浴びた酸化マグネシウムは蒸発し、一部が純粋なマグネシウムへと精錬される。このマグネシウムは発電所や工場用動力源、さらには水と反応して水素が発生するので燃料電池やエンジン燃焼などに利用できる。一度燃焼した後の酸化マグネシウムは、再び太陽光レーザーを照射すると純粋なマグネシウムに戻り再利用できる。今年から、ベンチャーのエレクトラが、マグネシウムの豊富なゴビ砂漠で実証実験を開始するという。
<環境> 劣化古紙、バイオ燃料に
静岡県工業技術研究所富士工業技術支援センターと静岡大学は、再生紙工場からでる「製紙カス」をバイオエタノールなどにリサイクルする技術を開発している。カスには繰り返し利用してボロボロになった木質繊維(セルロース)が多く含まれる。これを特殊な微生物などで糖分に分解し、自動車用などのバイオエタノールを作り出す。「製紙カス」の利用で、廃棄物ゼロの完全リサイクルとなる。2010年度に実証設備を作る予定という。
<ナノ加工> カーボンナノチューブ添加によるセラミックス特性の向上
愛知県産業技術研究所瀬戸窯業技術センター安藤敏夫氏と内田豊光氏は、カーボンナノチューブ(CNT)添加によるセラミックス特性の向上を検討した。その結果、1.非常に凝集しやすいCNTを添加するには、CNTの種類に応じた分散剤の選定が必要であること、2.CNT添加により新たな機能を付与するには、配向や形状の制御が重要であることが判明したという。
<ナノ加工> ナノサイズの剣山
東京工業大学爾田智一教授と陳愛華研究員らは、極めて微細なセラミックス性の柱を剣山のようにガラス基板に敷き詰めた。親水性部分と疎水性部分を持った高分子を有機溶媒に溶かしてガラス基板に塗り、120℃以上に加熱してその後冷やすと分子が自然と集まる。親水性部分が無数の柱状構造となる。そこに酸化ケイ素の原料溶液をたらすと親水性部分にだけ染込み、600℃に熱すると高分子が分解して酸化ケイ素の柱が残る仕組み。直径10-30ナノ(ナノは10億分の1)メートル、高さ50-400ナノメートルの柱がびっしりと基板を覆う。燃料電池の電極やたんぱく質分離膜などに利用できるという。
<マイクロ> 小型化省エネ、カーエアコン用冷凍システム
上智大学理工学部鈴木隆准教授、ハイテック、ケーヒンは、4月から共同で、らせん状鋼管(キャピラリーコイル)を使い、現行の冷凍機より凝縮器のサイズを半減、消費電力を約20%削減できる冷凍システムの実用化研究に着手する。省エネ効果の高いカーエアコンとして2-3年後メドに実用化するという。
<自動車> ナノ植物繊維で車
京都大学矢野教授を中心とする産学チームは、植物繊維とプラスチックを組み合わせた新材料の開発に乗り出した。矢野教授は、紙の原料となる30ミクロン(ミクロンは1/1000mm) 程度の木材繊維を、さらに千分の一の大きさにまでほぐして固めるだけで金属並みの強度になることを既に発見している。この発見を基にして開発を進め、「自動車丸ごと樹脂で」を目指していくという。
<自動車> 燃費33km/lのガソリン車の開発
日産自動車は、2010年の市場投入を目指して、トヨタのハイブリッド車なみの燃費33km/lをガソリンエンジンだけで出す新型エンジンを開発している。既存技術に、徹底した「摩擦損失の低減や熱損失などの熱効率の向上」を加えることで実現できると見ている。小型車マーチの燃費性能(10.15モードAT車の19km/lを8割改善するという。
<生産> 炭化ホウ素セラミックスの実用的な常圧焼結法を開発
産業技術総合研究所先進製造プロセス研究部門高性能部材化プロセス研究グループ吉澤友一研究グループ長と美濃窯業は、実用セラミックスの中で最高の硬さと軽量性さらには高弾性率を誇る炭化ホウ素セラミックスの常圧焼結技術を開発した。金属蒸気を含む雰囲気中で材料の緻密化が大幅に向上することを発見した。これにより、常圧焼結で理論密度95%以上の高密度焼結体を得ることに成功。コストも従来の2/3と実用レベルに乗せた。生産機械の高速動作を可能にする剛性が高く軽量な材料製造技術として期待できるという。
<ロボット> 大脳シナプスの学習時の動き解明
東京大学河西春郎教授らは、大脳のシナプスが常に力を出しており、モノを覚えるときはさらに強い力を出して運動することをラットの実験で解明した。タンパク質「アクチン」を光で標識する新しい顕微鏡を開発して、シナプスがアクチンの連合により力を出して運動する様子を可視化して明らかにした。13日付の米科学誌ニューロンに掲載。
<医用機器> 携帯できる超小型プラズマ発生装置
大阪大学北野勝久助教と浜口智志教授らは、携帯できる超小型プラズマ発生装置を開発した。ヘリウムガスなどを使い、大気中に2センチメートル以上噴射できる。最小型で重さは600グラム。従来の装置は数十キログラムあり、噴射距離数ミリメートル。プラズマは殺菌力や反応性が高いため、医療や材料表面改質など様々な分野に応用できるという。
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第144号 2008年03月14日

[概況]
[景気]
2月工作機械受注、14ヶ月ぶり前年割れ:日本工作機械工業会が6日発表した2月の工作機械受注総額(速報)は、前年同月比0.7%減の1,304億円となり、14ヶ月ぶりに前年実績を下回った。先行き不透明となる。
[動向]
<企業>
タンガロイなど、中国での超硬工具生産強化:超硬工具のタンガロイは、福建省の子会社で品質向上と能力増強を推進。機械工具商社の京二は、中国製工具の日本への輸入を増やしている。中国は国内工具産業を育成する方針。
<再編>
「日の丸ジェット」へトヨタが参加:政府が旗振り役になって三菱重工業が中心で進める「日の丸ジェット旅客機」構想にトヨタ自動車が参加する。小型プロペラ旅客機「YS-11」以来、40年ぶりの官民大型プロジェクト。開発費は、1,500億円。
<環境>
小池氏、「バイオエタノール開発中止」を提言:小池百合子元防衛相は10日、「トウモロコシなど食料を原料とするバイオエタノール開発は、大いに疑問でどこかで破綻する。北海道洞爺湖サミットで議長国として反対方針を国際標準にすべきだ」と毎日新聞社主催の講演会で指摘した。
<政策>
CO2排出、21技術で半減:政府は、2050年に世界のCO2排出量を半減する長期目標「クールアース50」に向けて、21の技術課題をまとめた。約430億トンの削減幅のうち、発電・送電分野の原子力と火力のCO2回収・貯留など31%、自動車の6割を占める電気自動車や燃料電池など11%、民生部門の定置用燃料電池やヒートポンプなど11%、製鉄プロセスのCO2吸収で7%など。
<国際化>
インドネシアでは、コベルコ建機が油圧ショベル工場を08年10月までに移転・拡張、丸紅がスワラヤ火力発電所の既設ボイラ改修工事を受注した。タイでは、槌谷が自動車用ラベルや精密印刷品を08年までに増産。マレーシアでは、日新製鋼がステンレス冷延鋼板の合弁事業に11年メドに進出。住友重機械工業は射出成形機の現地法人を、ブラジルでは3月に営業開始、インドでは08年中に設立。カタールでは、千代田化工建設が液化天然ガス(LNG)プラントの保守修理の新会社を月内に設立。サウジアラビアでは、日揮が石油精製・石油化学プラント建設の需要を拡大する新会社を設立する。タンザニアでは、日産ディーゼル工業が中古トラックを近く輸出する。ポーランドでは、三菱ガス化学が自動車用などの高機能樹脂工場を新設10年稼動。イタリアでは、日立建機が今夏までに販売拠点を開設。フランスでは、三菱ふそうトラック・バスが部品輸送を担う物流センターを設けた。欧州では、富士重工業が新開発の水平対向ディーゼルエンジン車を08年販売。米国では、東芝が改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)の原子力発電設備の受注活動の新会社を設立今月から販売・サービスを開始、村上開明堂が自動車用ドアミラー製造子会社の塗装ラインを増設。メキシコとカナダでは、ホンダがビジネスジェット機の販売開始。
[機械技術開発]
<新エネルギー> 最高の変換効率11%、色素増感太陽電池
産業技術総合研究所エネルギー技術研究部門太陽光エネルギー変換グループ杉原秀樹研究グループ長、佐山和弘主任研究員、柳田真利研究員は、安価に量産ができる色素増感太陽電池を効率よく発電する技術を開発した。色素をしみ込ませる酸化チタン膜を改良して赤外線を通りやすくするなどして、11%とこれまでで最も高い変換効率を実現した。シリコン結晶などと比べるとまだ変換効率が低いので、今後は色素改良などを進めて、変換効率を高めていくという。
<環境> 廃熱活用向け、遠心力利用厚膜熱源素子作成
産業技術総合研究所先進製造プロセス研究部門先進焼結技術研究グループ杵鞭義明研究員と加賀久元産総研特別研究員、新東工業、新東ブイセラックスは、遠心力による均一加圧を利用した新プロセス(遠心加圧溶融法)を開発し、厚さ数百ミクロン(1ミクロンは1/1000mm)のビスマス-テルル系高性能熱電厚膜の作成に成功した。歩留まり向上と低コスト化を実現した。廃熱源の活用に向け、熱電特性が実用レベルの性質を示したという。
<ナノ加工> 数ナノの点が夫々鏡の働き、ホログラム画像
情報システムのオプトウェアは、ホログラムのように画像が浮き上がって見える印刷物を作成する技術を開発した。極めて微小な直径数ナノ(ナノは10億分の1)メートルの夫々の点の屈折率を微妙に変化させることで反射光が干渉し、表面から5mmほどのところに像を結ぶ。これが集まって立体画像が浮かび上がる。印刷物の大きさが5cm四方なら2-3cm浮き上がって見える。3次元デジタルデータからの映像化が可能。ポスターなどの広告や医療画像などへの利用が期待できるという。
<マイクロ> 積み重ね基板面積半分に、メモリーやLSI
NECは、メモリーや大規模集積回路(LSI)を積み重ねて基板上に実装する新技術を開発した。フィルム状のフレキシブル配線基板を使う。まず1段目のチップを載せて電極同士をハンダ付けした後、フィルム基板でチップを包む。その上に別のチップを載せてハンダ付けをする。二段重ねで面積を半分にできた。携帯機器などに、2008年度にも実用化するという。
<自動車> 出合い頭事故防止のITS公道実験
トヨタ自動車は、開発中の新たな高度道路交通システム(ITS)の公道実証実験を3日から愛知県豊田市で始めた。車両に搭載した通信機器を利用して、車間同士で互いの位置情報を交換、見通しの悪い交差点での出合い頭事故を低減する効果を実証する。次世代の安全技術の目玉として、今後の実用化を目指すという。内閣府はじめ経済産業省。
<生産> 超精密加工機における位置決めの高性能化
大阪府立産業技術総合研究所足立和俊氏、山口和己氏、本田索郎氏は、レーザ測長器を位置決め機構に利用する超精密加工機において、気圧・温度・湿度などによるレーザ測長誤差の補正装置を試作し超精密加工を試みた。その結果、補正を行わなかった場合と比較して、加工機の位置決め精度が著しく改善され、加工精度を向上できることを実証したという。
<生産> 非接触の磁気歯車装置
金型部品製造の松栄工機は、同社の開発した非接触磁気歯車装置の国内特許を取得した。磁力線解析や高品質のネオジウム磁石を採用するなどして、95%以上の高いエネルギー伝達効率を可能とした。歯車同士が接触しないことから、磨耗による騒音や粉塵が発生せず、クリーンな歯車として食品や半導体関連などの分野で利用が可能という。内閣府はじめ経済産業省。
指先の微妙な感覚再現
名古屋大学情報科学研究科大田昌博准教授らは、物をつかんだり触ったりする指先の微妙な感覚を再現できる装置の開発にメドをつけた。仮想の物体をつまんで動かし、無理に動かしたときに物が指の上を滑る感覚まで再現。これらの感覚を3次元的で再現する装置を5年後メドに実用化する。まずは目の不自由な人の作業訓練システムとして利用するという。
<医用機器> 血管縫合支援ロボットの開発
大阪市立大学医学部整形外科五谷寛之准教授とエヌエスティーは、微細な血管縫合などを実施するマイクロサージャリー手術を支援するマスター・スレーブ方式マニピュレータロボットシステムを開発した。システムは、操作する人間の手の動きを入力するマスター部とマスター部の動きを縮小再現するスレーブ部からなる。マスター・スレーブ間に高速通信方式を採用、スレーブ部の微細な作業が可能という。
<医用機器> 白色LED利用内視鏡で大腸観察
山口大学、三菱化学、シーシーエス、フジノンなどは、光源に白色LED(発光ダイオード)を搭載した電子内視鏡を使って人間の大腸を観察することに成功した。これまでのキセノンランプやハロゲンランプに比べて、光量が十分で明るく、消費電力も少ない。内視鏡のスコープ径は13mmとこれまでと同等だが、消費電力は1/30-1/50の5ワット程度。今後、スコープ径を8mm以下に小型化して上部消化器(胃・十二指腸など)用内視鏡も開発する計画という。
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第143号 2008年03月07日

[概況]
[景気]
3月工作機械受注予測が上昇:日本工作機械工業会の28日発表によると、3月の工作機械受注予測DI<「増加または良いと答えた企業の割合から「減少または悪い」と答えた企業の割合を引いた値>は足元と比べて1.5ポイント上昇の9.0となった。日工会では「期末効果への期待感が現れた」と見ているという。
[動向]
<企業>
金型、売り上げ「減る」40%:日本経済新聞社の調査によると、金型業界では、今期の業績が悪化するする見通しの企業は40.0%で前回調査より14.2ポイント増えた。海外進出などで活路を拓くという。
<再編>
世界の資源再編進む:豪英BHPピリトン(鉄鉱石)が英豪リオ・ティント(鉄鉱石・ウラン)に買収提案、ブラジルのヴァーレ(鉄鉱石)がスイスのエクストラータ(石炭・ウラン)に買収提案。米フリーポート(銅)が米ウェルプスドッジ(銅)を買収。リオ・ティントがカナダのアルキャン(アルミ)を買収。エクストラータがカナダのファルコンブリッジ(亜鉛・ニッケル)を買収。ヴァーレがカナダのインコ(ニッケル)を買収。
<環境>
温暖化対策、16ヶ国首脳会議開催へ:政府は、7月に北海道洞爺湖で開かれる主要国首脳会議(G8サミット)に合わせて、温室効果ガスの主要排出国16ヶ国首脳会議を開催する。G8と中国、インドのほか韓国、ブラジルなども加わり、地球温暖化問題の首脳レベルの直接対話としては過去最大級となる。京都議定書に続く2013年以降の共通認理解を得ることを目指すという。
<政策>
排出権取引制度、来年導入か:「京都議定書目標達成計画」改正案の閣議了解を3月末に控え、温室効果ガス排出権取引制度に対する政府の姿勢が微妙に変わってきた。28日の関係審議会合同会議後、森昭雄議長は「09年制度導入の決断を迫られる可能性」を示唆したという。
<国際化>
インドでは、テイ・エステックが4輪車用シート工場を建設09年8月稼動、ショーワが2輪車用ショックアブソーバ(緩衝器)の新工場を建設する、協立電機がプリント基板検査装置や冶具工場を新設7月稼動、合志技研工業が2輪車用キャタライザー工場を建設09年中稼動。中国では、JFEコンテイナーがドラム缶の第3工場を建設09年度中稼動、南野産業が油圧機器の鋳物工場を10月に新設生産倍増、創研が造船・建機部品の鋳物工場を開設6月稼動。ベトナムでは、日本バルカー工業が工業用の汎用シール材工場を新設09年7月稼動。タイでは、オイレス工業がすべり軸受け工場を移転・拡張し8月稼動。インドと中国では、東芝機械が射出成形機や工作機械の営業・サービスを拡充する。欧州とインドでは、機械エンジニアリングカンパニーが圧縮機やタイヤ試験機などの販売関連現地法人を08年度に新設。メキシコでは、三菱重工業が2.4メガワット風力発電機の大型翼工場を08年度建設13年生産倍増。
[機械技術開発]
<新エネルギー> 製造コスト1/5、車用燃料電池
兵庫県立大学杉江他曽宏教授らは、セパレータをステンレス製にすることで自動車用燃料電池の製造コストを1/5以下にする技術を開発した。真空中でステンレス板にアセチレンガスなどを吹きつけつつ、板の表面に炭素原子を約1ミクロン(1ミクロンは1/1000mm)の厚さで積み上げることで、セパレータの導電性を上げる。樹脂製の従来品に比べ安価となり、自家発電向けなどでも安価な燃料電池を作れるという。
<環境> ノンフロン型省エネ冷凍空調システム開発
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、2005-09年度の5年計画「ノンフロン型省エネ冷凍空調システム開発」プロジェクトにより、フロンの代わりにCO2を冷媒として活用する研究を進めている。三洋電機はスーパーマーケットなどの業務用冷凍機、三菱電機はオフィスビルなどの冷暖房同時運転のマルチ空調機、ダイキン工業は住宅用のマルチ空調機など。東大名誉教授飛原栄治プロジェクトリーダーによれば、現在広く使われている代替フロンのHFC(ハイドロフルオロカーボン)に劣らないところまで技術的にはきているという。
<ナノ加工> ナノ加工の精密バリ取りに関する研究
新潟県工業技術総合研究所とマコーは、固体粒子と水を混合・攪拌したものを、専用の噴射ノズルから圧縮空気を使って高速に噴射するウェットブラストシステムを応用し、超精密加工を行った製品のバリ取りを行っている。研究開発課題は、バリ取りに適した微粒子の探索、加工条件の最適化、加工後のクリーン洗浄法の開発の3点という。
<マイクロ> 直径1ミクロン、折れにくい微細工具
理化学研究所大森整主任研究員、片平和俊専任研究員、水谷正義協力研究員らは、直径1ミクロン(1ミクロンは1/1000mm)の微細工具を作ることに成功した。独自の研削技術を応用し、研削しながら表面を改質。微細工具のしなやかさを高め、折れにくくすることで実現した。微細な穴あけ加工や細胞をつまむピンセットなど様々な利用が期待できるという。
<マイクロ> 超小型の光通信チップ
NECは、サーバーやルーター間でデータを光信号のままやりとりする小型の光通信チップを開発した。大きさは従来の1/10。14mm角で厚さは4.7mm。通信速度が毎秒10ギガ(ギガは10億)ビットの光信号を、4回線分まとめて送受信できる。サーバーなどの高性能・低消費電力化に役立つ。2010年頃の実用化を目指すという。
<自動車> 交通事故死ゼロを目指すITS研究
産業技術総合研究所知能システム研究部門フィールドシステム研究グループ加藤晋就任研究員は、知能自動車を発展させて、渡り鳥の雁行を真似た自動車群の協調自動運転に成功し、交通事故死ゼロを目指すITS(Intelligent Traffic System)の研究を進めている。各車は夫々、テレビカメラ、レーザーレーダ、ミリ波レーダ、DGPS、車-車間通信装置などを搭載している。内閣府はじめ経済産業省が提唱する四つの国民運動のひとつ「交通事故死ゼロを目指す日」に貢献できる重要技術開発として、今あらためて注目される。
<自動車> 量産用リチウムイオン電池を開発
ダイムラーは、リチウムイオン電池を世界で初めて量産車に使用すると発表した。関連特許を取得するとともに、09年から市場投入する高級車「メルセデスベンツS400」のハイブリッド車への実用化を予定している。トヨタはリチウムイオン電池を利用したプラグイン型ハイブリッド車を10年に市場投入する方針という。
<生産> マグネシウム合金で燃料電池用セパレータ、コスト1/10
金属プレス加工のカサタニは、燃料電池の基幹部品であるセパレータをマグネシウム合金で製造する技術を開発した。マグネシウムの難点だった酸に弱い性質を、表面に複数層のメッキを施すことで克服。プレスによる表面加工を可能にし、製造コストを従来の炭素素材と比べて1/10以下に抑えられるという。
<ロボット> 見た物の名前すぐ表示
東京大学原田達也講師、中山英樹大学院生、国吉康夫教授は、目で見た物の名前が瞬時にレンズ内に表示されるゴーグル状の電子機器を開発した。小型のビデオカメラが付いており、その画像を解析する。ゴーグルで見た風景は記録されており、後から気になる場面を探し出せる。物を置き忘れた場所を探したり、ロボットに記憶機能を持たせたりすることが期待できるという。
<医用機器> 感度10倍のMRI造影剤用新材料
京都大学近藤輝幸教授とキャノンは、MRI(磁気共鳴撮影装置)の造影剤向け新材料を開発した。新材料は、金属原子のガドリニウムを「デンドリュー」と呼ぶ分かれた構造を持つ高分子で包んだ。感度が約10倍になるため、これまでよりも小さなガンでも見つかるようになるという。
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第142号 2008年02月29日

[概況]
[景気]
月例経済報告、1年3ヵ月ぶり下方修正:政府は22日、2月の月例経済報告で、景気の基調判断を1年3ヵ月ぶりに下方修正し、先月までの「一部に弱さが見られるものの回復している」との表現から「このところ回復が緩やかになっている」に改めた。02年2月以来の景気回復局面が正念場を迎えたか。
[動向]
<企業>
日本精工、インドで軸受け生産開始:日本精工とABC Bearing社は、インドのチェンナイ市郊外で軸受けの工場を完成させ、2月15日開所式を行った。日系軸受けメーカーとしては初めてという。
<再編>
新電池研究で新組織:トヨタ自動車は、リチウムイオン電池に次ぐハイブリッド車用新世代電池の研究を本格化する。数十人規模で、社外から材料技術者など中途採用を進める。現行のリチウム電池の2倍以上のエネルギー密度をもつ2次電池の開発。電池エネルギーだけで80km走行を目指すという。
<環境>
自民、排出権取引で勉強会:自民党は19日、温室効果ガス排出権取引制度に関する勉強会を開き、鉄鋼や電力などの産業界のヒヤリングを行った。新日鉄は、「研究開発に投資する資金が排出権購入に流出する」として、また電力なども排出上限を設定する同制度に反対の意向を示したという。
<政策>
日韓、EPA交渉再開へ:福田首相と李明博大統領は、04年11月以来中断していた経済連携協定(EPA)交渉の再開に向け予備的協議を行うことで合意した。東アジア経済圏構想への突破口となるか。
<国際化>
中国では、三ツ星化成品が自動車内外装材を6月生産開始、ダイヘンが汎用溶接機の工場棟を増設した、中央発條がコントロールケーブルを3割増産する、サンコールが自動車用リングギアを増産する、デンソーが2ヶ所目のバス用エアコンの生産会社を設立4月稼動、オーバルが流量計の工場を新設08年秋稼動、ノダキが切削工具の販売子会社を設立5月営業開始。インドでは、日産自動車とルノーが折半で工場を建設10年初頭稼動。シンガポールでは、横河電機がプラント向け差圧・圧力伝送器を増産する。中国とタイでは、東亜ディーケーケーが分析機器の委託生産を08年中に開始。バングラディシュとインドでは、ブラザー工業が08年中に前者に2ヶ所、08-09年中に後者に3-4ヵ所に駐在事務所を設置。ロシアでは、三井造船が大型高炉送風機を受注した。米国では、三菱重工業がガスタービン補修部品生産に乗り出し6月稼動。東欧と南米(ブラジルの予定)では、スター精密が主軸移動型CNC旋盤の販売会社を新設する。
[機械技術開発]
<新エネルギー> DMEにバイオ燃料混ぜて発電
産業技術総合研究所とにいがた産業や産業創造機構などは、石油代替燃料として期待されるジメチルエーテル(DME)とバイオ燃料を混ぜて発電するシステムを開発した。既存のディーゼルエンジンを改造し、小規模商業施設や災害時の利用を想定した50kwの発電システム。パーム油から作ったバイオ燃料を10%混ぜた燃料を使った。排気中の窒素酸化物(NOx)は100ppm(ppmは百万分の一)以下、すすも殆ど出ないことを確かめたという。
<新エネルギー> 目指す「燃料電池の発電所」
Jパワーは、07年1月から08年中メドに、次世代燃料電池(FC)とされる固体酸化物型燃料電池(SOFC)で累積運転1万時間を目指して運転中。昨年11月国内最大出力(直流発電端)となる100kw超での運転に成功した。最終目標は数十万kwレベル。石炭ガス化炉と組み合わせ、石炭ガス化した水素と一酸化炭素を取り出しSOFCで発電。その排ガスでガスタービンを回した後、さらに廃熱を回収してスチームタービンで発電する3段構え。55%の発電効率が期待でき、これまでの40%を大きく上回る。二酸化炭素排出量も約30%削減できるという。
<環境> 省エネ・メンテフリーの機械式2次電池を開発
IHIは、停電時などに電力を提供する、省電力でメンテナンスフリーのフライホイール型2次電池を開発した。IHIが開発した超低損失の磁気軸受けを用いることで、フライホイールを支える軸受けの交換を不要(メンテナンスフリー)にするとともに、軸受けでの損失を従来の約1/10に低減した。これにより、フライホイールの回転を維持するために必要な待機電力を約1/2(1.5kw以下)にできたという。
<ナノ加工> 次世代半導体向け極端紫外光技術
大阪大学レーザーエネルギー学研究センターは、回路線幅32ナノ(ナノは10億分の1)メートル半導体の微細加工に使う「極端紫外光(EUV)」を変換効率4%の実用水準で取り出す技術を開発した。従来は、2.5%にとどまっていた。スズの粒を、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザーでいったん膨張させて、続けて炭酸ガスレーザーで照射すると極端紫外光がたくさん発生することを確かめたという。
<マイクロ> タイヤの空気圧センサー
独ボッシュは、新型の空気圧センサーを開発、08年下期にも量産を開始する。新型のセンサー「SMD400」はMEMS(微小電子機械システム)技術を使っている。測定範囲は0-6気圧。圧力や温度などの測定を組み込んだ車両の監視システムに無線で伝達するという。
<自動車> ディーゼルの電子制御、噴射間隔一万分の一秒
デンソーとボッシュは、環境対応車として注目を集めるディーゼルエンジン車向け燃料噴射装置「コモンレールシステム」の開発に注力している。センサーがコモンレール内の圧力を検知、情報を受けた電子制御ユニット(ECU)が高い精度で燃料噴射のタイミングを切り換える。噴射間隔は一万分の一秒。ECUのマイコンは32ビット(従来は8ビット)。燃料の噴射圧は、これまで1800気圧だったが、電子制御の活用で2000気圧まで高めた。今後の技術開発は、コモンレールに代表されるメカ、ECUなどの電子デバイス、ソフトウェアの3要素が開発のポイントという。
<生産> 潤滑油不要、マグネシウム合金のプレス加工
産業技術総合研究所サステナブルマテリアル研究部門環境適応型合金研究開発研究グループ長佐藤富雄氏、上野英俊客員研究員、東京都立産業技術センター、不二越は、熊本県産業技術センター、鹿児島大学、日本工業大学と共同で、ダイヤモンドコーティング金型を用いたマグネシウム合金板材の完全なドライプレス加工技術を確立した。マグネシウム合金板材の熱間プレス加工において、潤滑油とその洗浄が不要になるため、環境とコストの両面で優れている。高強度で軽量のマグネシウム合金の適用領域の拡大が期待できるという。
<生産> マグネシウム合金のプレス成形技術に関する研究
熊本県産業技術センターは、福岡県工業技術センター、佐賀県工業技術センター、大分県産業科学技術センター、鹿児島県工業技術センター、東京都立産業技術センターと共同で、マグネシウム合金の各種表面処理技術、シミュレーションを利用したプレス加工(成形・鍛造)技術、鋳造技術に関する研究を行い、マグネシウム合金の自動車用部材への適用可能性を検討し、その加工技術の確立を目指している。研究期間は、平成19-21年度の3年間。
<ロボット> ロボットが3次元認識
三菱電機は、一人で複数の製品を組み立てる工程を担うセル生産方式で使用するロボット向けに小型の3次元物体認識技術を開発した。3次元計測用のレーザー投光部とカメラで構成。重さは合わせて800gr。3kg程度の小型産業用ロボットに取り付けられる。バラ積みにしたネジやコネクターなどの部品を扱えるようになるという。
<医用機器> マウスの「かゆさ」を計測
東京農工大学松田浩珍教授は、マウスが体を引っかく回数を自動計測する装置を開発した。マウスの様子を1秒間に240コマの高速で撮影し、コマ毎に比較して、引っかく際の画像の変化パターンを見出した。かゆみを抑える新薬開発用に、ベンチャー企業ノベルテックが製品販売する。価格は740万円。5年間で200台の販売を見込むという。
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第141号 2008年02月22日

[概況]
[景気]
07年10-12月期GDP、年率3.7%成長:07年10-12月期の実質GDP(国内総生産)成長率は、年率換算で前期比3.7%と市場予測1.5%を大きく上回った。08年1-3月期が注目される。
[動向]
<企業>
ブラザー工業、国内外で増強:国内では、工作機械の生産性を08年度内に10%高める。一方、中国では、2ヶ所目の工作機械の営業拠点「テクニカルセンター」を08年度内に設立。さらに、中国では、直線縫いに特化した工業用ミシンを08年度内に3割増産。
<再編>
IHI、ハウザーを買収:IHIは13日、オランダの薄膜表面加工装置メーカーのハウザーテクノコーティングを買収すると発表した。買収額は推定で数十億円。ハウザーは、工具や自動車部品の特殊金属やセラミックス層に塗布し、耐摩耗性や耐摩擦性を高める専業メーカー。
<環境>
「王様ペンギン」絶滅の危機:地球温暖化がこのまま進めば、コウテイペンギンに次いで2番目に大きいキングペンギンも南極周辺では絶滅する恐れがある、とする研究成果をフランスなどのチームが米科学アカデミー紀要電子版に発表した。水温上昇で、エサの魚などが減りそうなためという。
<政策>
新現役チャレンジプラン:経済産業省・中小企業庁は、08年度に開設する「新現役チャレンジプラン」でモデルとなる事業を選び出す。ノウハウやスキルを有する大企業退職者を中小企業のニーズに派遣する仕組み。3月にも募集を開始する見込みという。
<国際化>
中国では、ヤマザキマザックがNC旋盤と立型・横型MCを増産、オークマがNC旋盤と立型・横型MCを年内にも増産、松下電器産業がカーナビを4月に投入、ブラザー工業が直線縫いに特化した工業用ミシンを09年3月までに3割増産、ツガミがスイストルノスに自動旋盤をOEM(相手先ブランド)供給するために増産、ブラザー工業が2ヶ所目の工作機械の営業拠点「テクニカルセンター」を09年3月までに設立。タイでは、リコーが複写機やプリンターの大型工場を新設09年9月生産開始、昭和精工がプレス金型や自動車部品の工場を新設10年メドに生産開始、KYBが2輪・4輪庸ショックアブソーバ(緩衝器)の設計から性能評価までの一貫体制を08年に整える。インドでは、ダイキン工業が業務用空調機器の生産拠点を設置09年3月生産開始、コベルコクレーンが販売・サービス事務所を09年までに開設。インドネシアでは、ミクニが2輪車部品工場を建設09年2月生産開始。台湾では、ジェイテクトが台湾メーカーと合弁で立型MCの生産委託を開始した。中国とマレーシアでは、日本スピンドル製造が空調機器事業の売上高を09年2月までに増産。チェコと中国では、愛三工業がダイカスト製品などを増産する。南アフリカでは、日立建機が新型ダンプを08年にレンタルしその後販売する、スズキが4輪車の輸入子会社を13日に設立した。ナイジェリアでは、コマツが建設機械の代理店を設立する検討に入った。アンゴラでは、日立建機が08年メドに代理店を設立。ブラジルでは、ハイレックスコーポレーションが伊シーラー社と合弁でコントロールケーブルなどの製造子会社を設立5月生産開始。
[機械技術開発]
<新エネルギー> 常温核融合の再現性向上
大阪大学高橋亮人名誉教授によれば、夢の新技術である常温核融合の理論研究で、最近の画期的成果が3件ある。一つ目が、イスラエル・米国・イタリアのグループで「電解法に超音波を組み合わせて入力よりも過剰熱を発生させる実験」。二つ目が、三菱重工業先進技術研究センター岩村康弘主席研究員の見出した原子核の変換「新元素変換」。三つ目が大阪大学荒田吉明名誉教授による「過剰熱を発生させる」。いずれも再現性は向上しているが、定量的な再現性に問題が残る。さらに、様々な常温核融合の現象を包括的に説明できる理論が構築されていないという。
<新エネルギー> 再生可能エネルギーの技術課題
シャープをはじめ多くの企業が取り組む太陽光発電、風力発電、水力発電、廃棄物の焼却熱などの再生可能エネルギーの共通した技術課題は、発電コストが高いこと、大容量発電に向かないこと、出力が安定しないことの3点である。 一方、三菱重工業などが進める原子力発電の技術課題は、使用済み核燃料から残りのウランや、ウランが中性子を吸収して出来たプルトニウムを再処理して使う「核燃料サイクル」であるという。
<環境> 鉄化合物で超電導
東京工業大学細野秀雄教授らは、従来超電導に不向きとされていた鉄とヒ素からなる層を持った化合物が絶対温度32度(-241℃) で超電導になることを発見した。絶対温度130度(-143℃)で頭打ちになっている高温超電導物質探しの「新鉱脈」として期待され、科学技術振興機構は18日、細野教授の研究を特別に支援すると発表したという。
<ナノ加工> 0.3秒でLSI回路を作成
クレステックは、電子線を雨のように降らせて最先端のLSI(大規模集積回路)のパターンを一気に作る装置を開発した。面電子源は、直径約5ナノ(ナノは10億分の1)メートルのシリコン粒子を5ナノメートル間隔で整列し、電柱のように立った構造の厚さ100-200ミクロン(ミクロンは1/1000mm)のシートを使う。10mm角に配線40ナノメートルの回路を0.3で描いた。従来は、電子線の一筆書きで10時間かかるという。
<マイクロ> 直径40ミクロンの直線加工
佐藤精巧直線は、二つのロールで線材に圧力をかけながら線材を押し出し、直線状の線材を作成している。素材により、ロールが回転するときの圧力などを微調整するのがノウハウ。ノウハウを守るため、特許も申請せず、設計図も描かない。半導体に使う探針(プローブ)は40ミクロン(ミクロンは1/1000mm)。脳外科用の縫合針は50ミクロン。医療用カテーテルは200ミクロン。現在は、30ミクロンの線材を直線に矯正できる装置を開発中という。
<マイクロ> 厚さ5ミクロンの基板フィルム
東洋紡は、プリント配線基板に使うフィルムの厚さを5ミクロン(ミクロンは1/1000mm)と、世界で最も薄くすることに成功した。500℃の高温に耐える高分子を配合、生産工程時の破損を防ぐよう機械も改良し、同社従来品の半分の厚さを実現した。09年4月から主に電子部品メーカーへ販売するという。
<自動車> 2輪車マフラー廃熱利用、熱発電ユニット
名古屋工業大学、産業技術総合研究所など6者は、2輪車の廃熱を利用した熱発電ユニットを開発した。物体の温度差が電圧に変換される現象「ゼーベック効果」を応用。走行実験では、時速60kmの走行時に10ワットの発電に成功した。大型スクーターなどに使えばエンジン動力を利用して発電するオールタネータの負荷を低減でき燃費向上が期待できるという。
<生産> ロボット技術によるスピニング加工のデジタル化
産業技術総合研究所知能システム研究部門技能・力学研究グループ長荒井裕彦氏は、へら絞りなど高度熟練技能のスピニング加工を、感覚フィードバックなどのロボット技術を導入してデジタル化を進めている。比較的簡単な形状の製品についてはスピニングマシン(NC自動機)で既に量産化されているが、ここでは熟練技能者の高度技能に依存する複雑な形状のデジタル加工を開発している。ハンドリング・組み立て・溶接・塗装などのこれまでの産業用ロボット分野に、新たな1ページを拓く試みとして期待されているという。
<ロボット> 手の動きを模した人力駆動型マニピュレータ
北海道立工業試験場は、リンゴ収穫用にデリケートな操作が可能で、脚立を使用せず地上から収穫作業が出来る人力駆動型のマニピュレータを開発した。マニピュレータ先端部は、把持、屈曲、ねじりの3自由度。収穫試験の結果、脚立を使用せず地上から3.6mまでのリンゴの果実を傷付けることなく収穫できることを確認したという。
<医用機器> 極小針で痛み与えず投薬
米ケンタッキー大学などの研究チームは、極小針で薬を投薬する装置を試作した。ステンレス鋼で長さ620ミクロン(ミクロンは1/1000mm)の針を50本並べた親指ほどの大きさの装置。皮膚に張るように使うタイプで、薬やたんぱく質、DNA(デオキシリボ核酸)などを痛みを与えずに投与できる。経口投与よりも副作用を抑えられるという。
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