第174号 2008年10月10日

[概況]
[景気]
工作機械受注、10月悪化へ:日本工作機械工業会は、「工作機械短期受注観測調査」の9月の結果をまとめた。受注DIは、9月は3.0、10月見通しは0.0と悪化した。受注DIは、受注が増加すると答えた企業の割合から、減少すると答えた企業の割合を引いた値。
[動向]
<企業>
500人体制で開発強化、MRJ:三菱航空機のMRJ開発は、当初200人でスタートしたが今や500人体制。開発が本格化している。営業部門も30人、2人1チームで世界200社対象に受注活動を展開している。
<再編>
三洋と新日石が提携、薄膜型太陽電池:三洋電機は30日、次世代「薄膜型太陽電池」を新日本石油と共同で、開発生産すると発表した。事業家に当たり、発電効率10%は最低ラインという。
<環境>
超低消費電力目指す「ネットワークフォトニクス研究センター」設立:産業技術総合研究所は、巨大情報を超低消費電力で送受信できる、新しい光パスネットワークを目指す「ネットワークフォトニクス研究センター」を平成20年10月1日に設立した。
<政策>
国際標準で人材育成:経済産業省は、国際標準化活動を強化するため、専門家以外を対象に人材を育成する。大学向けに教材、企業向けには検定制度など。
<国際化>
中国では、サンデンがカーエアコン用コンプレッサーの部品生産合弁会社を設立した。インドでは、三菱自動車が多目的スポーツ車(SUV)「アウトランダー」を市場投入する。ベトナムでは、ホンダロックが自動車向けキーロックを生産する現地法人を1日設立10年生産開始。シンガポールでは、三菱重工業などが大型発電設備を2基受注した(約560億円)。インド、トルコ、エジプトでは、日精樹脂工業が射出成形機を08年中にも拡販。カタールでは、コスモ石油が石油鉱区の権益を取得12年生産開始を目指す。モロッコでは、日産自動車が小型商用バン「NV200」を10年生産開始。米国では、三菱重工業がマイアミ国際空港向け新交通システムを受注した(274億円)。
[機械技術開発]
<新エネルギー> 洋上風力発電の開発加速
英国では、油田掘削技術を利用して海底からくみ上げた台上の5,000kw級風力発電が続々と稼働している。2020年までに、トータル300万kwと原子力発電所3基分に相当する規模となる。日本では、2-3年後に三菱重工業が浮体式洋上風力発電を事業化するという。
<新エネルギー> 電解質膜の耐久性向上、燃料電池
日本原子力研究開発機構前川康成リーダーは、プラスチック特性を改良する放射線グラフト重合技術を用いて、家庭用燃料電池に最適な発電特性と高耐久性を持つ電解質膜を開発した。コストは量産化すれば、現在の1/10程度。燃料電池車の開発にも貢献できるとみているという。
<環境> レーザープリンター放出のナノ粒子
国立保健医療科学院などは、密閉した中でレーザープリンターを稼働させ、ナノ粒子が放出されているのを確認した。現在、ナノ粒子の計測方法の標準化や健康影響調べる研究が進んでいるという。一方、トナー粒子は数ミクロン(ミクロンは1/1,000mm)と大きい。
<ナノ加工> 原子分布を検査、次世代集積回路
静岡大学田部道晴教授らは、帯電したハリで集積回路のシリコン内にあるリンなどの原子分布を把握できた。原子分布のムラをなくすことによる、線幅20-10ナノ(ナノは10億分の1)ナノメートルの集積回路開発につなげたいという。
<マイクロ> 放電加工を利用した微細加工
栃木県産業技術センターは、放電加工を利用した微細加工、例えば微細穴のアスペクト比向上などのための電極成形方法や放電加工条件などを、平成18年から2年間にわたり研究し、データーを集積したという。
<自動車> 車の知能化と環境対応
日産自動車山下光彦副社長は、センサー利用の自律走行や居眠り検出などの知能化や環境対応のリチウムイオン電池などの電池開発が自動車研究の2本柱と述べた。日産自動車は、2010年度に電気自動車を日本と米国で発売する計画という。
<生産> 出荷までの期間半減、ボールねじ
日本精工は、工作機械などに使う「ボールねじ」の生産について、生産ラインの配置の見直しや熱処理に新型装置を導入するなどして、受注から出荷までのリードタイムを半減した。建機用の工作機械向けボールねじの需要を見込むという。
<ロボット> 高度なロボット制御へら絞り加工機
産業技術総合研究所荒井裕彦主任研究員と大東スピニングは、ロボット制御により楕円・偏心・多角形などの異形断面形状を加工できるへら絞り加工機(スピニング加工機)を開発した。2008年10月30日-11月4日の「第24回国際工作機械見本市(JIMTOF2008)」に展示・加工実演を行う予定という。
<医用機器> 人工の耳、聴覚障害者向け
名古屋工業大学岩田彰教授らは、人間の神経回路を模した大規模集積回路(LSI)で、手のひらサイズの人工の「耳」を作ることに成功した。聴覚障害者用補聴器やロボットの耳、監視装置への応用に向けて、同大発ベンチャー企業により2008年中の実用化を目指すという。
<医用機器> タッチペンで音声発生、発話障害者向け
東京大学伊福部達・教授らと首都大学東京は、腹話術を参考にして発話障害者が使う音声生成機を開発した。ディスプレー上をタッチペンで操作して発声する。協力企業と1年以内の実用化を目指すという。
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