第177号 2008年10月31日

[概況]
[景気]
工作機械「キャンセル急増」:森精機製作所森雅彦社長は、「上半期キャンセル300台、特に米金融危機1ヶ月で急増。中長期で見れば、2009年が底で2010年から回復に向かう」と述べた。
[動向]
<企業>
アイダエンジ、納期3割短縮:プレス機械大手のアイダエンジニアリングは、プレス機械の部材を国内外工場で分担生産し、一か所の工場に集めて組み立てる方式で、2011年までに納期を2-3割短縮する。
<再編>
「環境」で国際連携、商用車:ハイブリッド開発で、三菱ふそうトラックバスは独ダイムラーと米フレートライナーと連携。モーター開発とコストダウンが主目標。低公害エンジン開発では、日産ディーゼルがスウェーデンボルボと提携。
<環境>
国内排出量取引開始:政府の地球温暖化対策本部は、国内排出量取引の参加企業の受付を21日に開始した。企業自ら目標を設定でき、参加も任意という。
<政策>
日本、ISO常任国へ:国際標準化機構(ISO)の多くの事項について決定権を持つ技術管理評議会(TMB)において、日本が2010年に常任国となることが決まった。2010年に、TMBの常任国が12ヶ国から14ヶ国になるに伴う措置という。
<国際化>
中国では、虹技が自動車プレス金型素材を09年3月にも5割増産、トヨタ自動車が7番目の組み立て工場を設け年産100万台体制へ、住友ゴム工業がトラックバス用タイヤを増産10年末に07年比3.5倍の3,500本/日へ。インドでは、横河電機が火力発電所向け制御システムを受注した、ユニプレスが合弁で車体骨格部品工場を建設10年稼働。タイでは、ホンダが「アコード」の生産を開始した、田中精密が4輪車用エンジン部品の生産能力を09年2月メドに75%増の月70万個へ。マレーシアでは、宮津製作所が自動車用プレス金型を増産3年以内に倍増の年100個へ。台湾では、山武がコントロールバルブの保守拠点を開設した。オマーンでは、神鋼商事と宇部興産機械は鉄鋼スペレタイジングプラントを受注した(150-160億円)。フィンランドでは、三菱重工業が大型倉庫作業車メーカーのロックラーをTOB(株式公開買い付け)し子会社化する(取得価格50億円)。仏では、東芝が原子力発電所の補修工事を受注した(約125億円)。独では、三菱重工業が風車の設計事務所を1月立ち上げた。高松機械は、独に工作機械の販売子会社を09年3月期中に新設、インドネシアには保守・管理事務所を09年3月期中に設ける。
[機械技術開発]
<新エネルギー> 白金不要燃料電池の仕組み解明
北陸先端科学技術大学寺倉清之・特別招聘教授らは、シミュレーションにより、白金の代替として炭素材料を使った場合に固体高分子型燃料電池の触媒として働くメカニズムを解明した。この結果を基に、燃料電池のコストダウンを図るという。
<環境> 炭素繊維で軽量化、新交通システム
IHIと韓国HFGは、車両本体に炭素繊維複合素材を採用し、金型で一体成型する新交通システム用車両を開発した。車体の軽量化により、消費電力の削減につながるという。
<ナノ加工> 大面積ガラスにナノ構造
東芝機械、早稲田大学庄子習一教授と小野潤・准教授らは、ナノインプリントと呼ばれる型を基板に押し当てる方法で、ガラス表面に幅が数十ナノ(ナノは10億分の1)メートル微細構造を刻む装置を開発した。1-2cm角の型の位置を変えて押し当てることにより、30cm角のガラス基板上にナノ構造を刻むことができるという。
<マイクロ> 小型センサーで位置計測
日立製作所は、レーザー光の反射を利用して超微細な物体の位置を測定できる小型センサーを開発した。縦5cm、横2cm、高さ1.4cmの箱型センサー。電子顕微鏡や半導体などの微細加工装置に簡単に積み込める。2-3年後メドに電子顕微鏡向けに実用化するという。
<自動車> ボールネジの小型化で燃費改善
NTNは、鋼球の大きさの設計を見直すことで、ボールネジの強度を維持しながら小型化を実現した。モーターで動くボールネジを使うと、吸気バルブの開閉を連続的に調節でき、微細制御により燃費が1割向上するという。
<自動車> 炭素繊維の車台成型、10分内に
東レと新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、炭素繊維樹脂の硬化速度を早めたり、金型に複数の注ぎ口から流し込むなどして、車台(プラットホーム)の成型時間を従来の160分から10分以内に大幅短縮した。鉄製に比べ約30kgが15kgへ.と半減。コストは鉄製より2-5倍高。2010年メドにボンネットなどのパネル部材へ。2012-13年に車台への採用を目指すという。
<生産> 温度上昇抑えた軸受け
ジェイテクトは、内外輪に角度をつけたり軽量高強度樹脂を使用したりして、工作機械向けに温度上昇率を抑えた軸受けを開発した。摩擦が少ないので、高速回転するマシニングセンター(MC)などで、焼きつけが起こりにくいという。
<生産> 高精度な大型ミラーとレンズ
岡山県工業技術センターは、ハワイ本島マウナロア山で天体観測が行われている、東京大学宇宙線研究所の望遠鏡の径590mmアルミ凹面ミラーとその球面収差を補正する径430mm-370mmアクリル製非球面レンズ3枚を作成した。ミラー重量による加工機のたわみ補正とアクリル部材のそりなどの問題を解決したという。
<ロボット> 人とロボ共存の安全化
産業技術総合研究所中坊嘉宏研究員は、高速ビジョンセンサ(カメラ)を用い、人の存在を確実に検知しロボットを制御する国際安全規格に準拠した安全システム技術を開発した。人間とロボットが共存するセル生産システムなどで活用できるという。
<医用機器> 3-5mmの肝臓ガン検出
大阪府立大学成人病センター山田晃正消化器外科副部長らは、ガン細胞に集う色素細胞を赤外線カメラで検知することにより、ガン病巣周囲にある3-5mm程度の小さなガンを検出して切除した。再発しやすく治りにくい肝臓ガンの治療成績向上につなげたいという。
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