第178号 2008年11月07日

[概況]
[景気]
7-9月期、GM5期連続赤字:米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)の08年7-9月期決算は、純損失が25億2300万ドル(約2,500億円)。5期連続の赤字という。 [動向]
<企業>
「現場の知恵」全社員で共有:富士フィルムは、「モノを作る前に人をつくる」ということで、「国内外約100人の評価の高い社員の現場の知恵や仕事の進め方」を全社員で共有する取組を進めているという。
<再編>
NC工作機械と産業用ロボの制御連携:ファナックと三菱電機がNC工作機械と産業用ロボットの制御ソフトの連携を強化している。ファナックはNCと産ロボの制御ソフトを改良、三菱電機はNCと産ロボを連携するソフトを開発し、工場全体の自動化システムの開発を容易にするという。
<環境>
CO2で食糧増産:英蘭ロイヤルダッチシェルは、原油から水素を作る過程で出るCO2を野菜栽培の温室などに供給し、食糧増産とCO2削減の両立を図るという。
<政策>
蓄電池開発最優先、総合科技会議:総合科学技術会議は、2009年度の科学技術施策のうち、経済産業省が概算要求する予算30億円の蓄電池開発を唯一の最高S評価とした。2030年には、1充電500km走行、現在の1/40の低コストを目指すという。
<国際化>
ベトナムでは、新日本製鐵が韓国ポスコの鋼板生産計画に10-20%の資本参加する、浜名湖電装がセンサー類の生産子会社を設立10年6月生産開始。タイでは、ニフコが自動車用樹脂部品を09年夏生産開始。韓国では、三菱重工業が国産ロケット「H2A」で韓国衛星打ち上げる優先交渉権を獲得した。ロシアでは、キトーが手動のチェーンブロックやレバーブロック市場に参入する。ブラジルとサウジアラビアでは、川崎重工業が船舶を360度水平方向に進めることができる全旋回式推進装置「レックスペラ」を受注した。
[機械技術開発]
<新エネルギー> 太陽光発電の安定供給実験
清水建設、明電舎、中国電力、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、一般家庭約40世帯分に当たる120kwの太陽光発電システムとディーゼル発電などを組み合わせて、中国浙江省の杭州電子科技大学に設置した。自然任せの不安定な電力供給の不具合やそれを抑える条件を探るという。
<新エネルギー> 風力発電用大型ギアを高精度加工
三井精機工業の横型MC「HU80A-5X」は、世界規模で建設ラッシュの風力発電機大型ベベルギアを高精度加工できる。また、航空機エンジンなどのインペラ(回転翼)にも向いているという。
<環境> 工作機械、3台を1台に
シチズンマシナリーは、自動車部品向けに三つの複合機を一つのボディーに組み込んだ数値制御(NC)加工機を開発した。新加工機は加工工程の短縮で加工時間を従来の約1/3、消費電力も大幅に低減できる。2010年の販売を目指すという。
<ナノ加工> 金属錯体型有機ナノチューブを大量製造
産業技術総合研究所小木曽真樹研究員は、ペプチド脂質をアルコールに懸濁させた後、金属水溶液を加えるだけで、金属錯体からなる有機ナノチューブを大量製造できた。このタイプは、触媒や電子材料などの幅広い用途が期待でき、用途開発のためのサンプル提供が可能という。
<マイクロ> 薄膜材の折り曲げ自在
産業技術総合研究所吉田知也研究員は、イオン照射により、どんな材料を使った薄膜でも自在に折り曲げられる薄膜加工技術を開発した。1ミクロン-数100ミクロンオーダーの立体加工ができる。次世代薄型パネルとして期待される電界放出ディスプレー(FED)の電子源など、2-3年後にも新型FEDの実用化を目指すという。
<自動車> 高速移動でも通信可能、ITS
情報通信研究機構は、現在テレビのアナログ放送に使われている700メガ(メガは100万)ヘルツ帯の電波を利用することで、自動車など高速移動しても途切れず無線通信ができるデータ伝送方式を開発した。高度道路交通システム(ITS)として、自動車同士の相互位置確認や衝突防止に役立てるという。
<生産> 結晶微細化による成形性、マグネ合金
茨城県工業技術センターは、マグネシウム合金の結晶組織を微細化することで超塑性を発現させたり、成形加工性を向上させる研究開発を行っている(平成18-20年度)。
<生産> 複数の写真から立体画像作成ソフト
広島市立大学椋木雅之准教授は、複数のデジタルカメラの写真をもとに立体画像を簡単に作成するソフトウェアを開発した。企業と共同で実用化を目指すという。
<ロボット> 遠隔ロボでリンパ節摘出に成功
東京慈恵会医科大学高次元医用画像研究所は、九州大学からタイのチュラロンコン大学にある遠隔操作ロボットを操作して、軟らかいゴムのような内視鏡を口から入れて遺体からリンパ節を摘出することに成功した。
<医用機器> 生体観察、染色不要に
大阪大学河田聡教授らは、2種類のレーザー光を試料に当てた時に出る散乱光を利用する「高速3次元分子分光顕微鏡」により、生物組織を染色しないで、動画で観察することに成功した。医療診断や生物学の研究に利用できるという。
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