第190号 2009年01月30日

[概況]
[景気]
08年12月粗鋼生産27%減:日本鉄鋼連盟によると、08年12月の粗鋼生産は748万2,000トンで前年同月比27.9%となった。3ヶ月連続のマイナスで、減少幅は過去最高という。
[動向]
<企業>
日本精工が経営革新へ:日本精工の朝香聖一社長は、トンネルの出口に向けて、組織・生産。販売・技術・管理を見直し、「グローバルな変革に合ったものにしていくことが新たな成長の必要条件である」と述べた。
<再編>
伊フィアット、米クライスラーに35%出資:イタリア自動車大手のフィアットが、米国クライスラーの株式35%を無償で取得する。販売台数が400万台規模のグループになるという。
<環境>
リビアで太陽光発電:三菱商事は、リビア最大の総合大学アル・ファタ大学と共同で再生可能エネルギーの研究開発に乗り出す。同大学の敷地内に太陽光発電の実証実験機材を設置し、データの収集に取り組むという。
<政策>
中小のCO2削減支援へ:経済産業省は、中小企業の温室効果ガス排出削減を支援する国内クレジット制度の審査員の育成に乗り出す。国内クレジット制度とは、大企業が資金・技術を中小企業に提供して温室効果ガス削減を共同で進める制度。大企業は見返りとして排出削減量(クレジット)を取得し、削減目標達成のために活用出来るという
<国際化>
マレーシアでは、中部電力のヤシの枝を材料にしたバイオマス発電所(出力1万kw)1基が稼働開始した(事業規模44億円)。オーストラリアでは、横河電機が発電所向け制御システムを受注した(18億円)。英国では、三菱重工業が風力発電機器の組み立て工場を建設2月までに建設場所を選定する。
[機械技術開発]
<新エネルギー> 発火せずに耐久性も向上、リチウムイオン電池
電力中央研究所は、発火の危険がなく安全性の高い新型リチウムイオン電池の耐久性を高めることに成功した。電解質に燃えにくい材料のイオン液体を採用、アルキル基の長さの調整などの分子設計も工夫した。充放電の電気容量を高めて、家庭やオフィスなどでの大容量向け電池の実用化を目指すという。
<環境> 動力コスト1/10、電動式油圧ショベル
日立建機では、エンジン式に比べてエネルギーコストが1/10で済む電動式油圧ショベルの受注が増加している。今後、量産化が見込めれば、2009年度以降、生産設備の投資を増やす。2012年度、電動式の出荷台数を08年度比約3倍の50台を目指すという。
<ナノ加工> 水滴滑る酸化チタン表面
東京大学渡部俊也教授らは、汚れなどを取ったりする光触媒材料として知られる酸化チタン表面の凹凸を1ナノメートル (ナノは10億分の1)以下にすることで、水滴を滑りやすくした。内部で放電を起こす特殊な装置内で酸化チタンを結晶化することで実現した。表面を20度傾けると、水滴はラグビーボールのような形になってすべり落ちる。雨の日にワイパーなしで走行できる車のフロントガラスや汚れにくい壁などの開発につながるという。
<マイクロ> 厚さ2ミクロンの薄膜型太陽電池
産業技術総合研究所と古河電気工業は、低コストのシリコン薄膜型太陽電池製造法を開発した。アモルファスシリコン薄膜を結晶粒が大きい厚さ2ミクロン(ミクロンは1/1,000mm)の多結晶シリコン薄膜に変換し、それを土台に電池を作る。光電変換効率は3.5%と低いが、結晶粒を大きくできれば、光電変換効率を向上できる見込み。現在主流の多結晶シリコンの薄膜型(厚さ200ミクロン)の12%まで高められるという。
<マイクロ> 誤差10ミクロン以下の線材加工
ナミテイでは、全長が20mある横長の大型装置に直径1cmの丸い金属線が吸い込まれ、途中の複数のロールで30秒程かけて押し出され、円形の断面がS字や星型などの複雑な形状に変わる。どんな複雑な断面でも加工精度は誤差10ミクロン(ミクロンは1/1,000mm)以下。同社は、「異形線」と呼ばれる特殊な線材の分野では、7割のシェアを持つ国内最大手という。
<自動車> 車載カメラの視野196度
クラリオンは、車が路地から大通りに出る場合に死角になりやすい横方向を監視できる車載用映像システムを開発した。映画で広角映像を撮影する際の技術を応用して、196度と広い視野を実現した。人身事故防止につながる技術として、2011年頃の製品化を目指すという。
<生産> 寿命9割長い玉軸受け
日本精工は、ポンプやコンプレッサーなどの産業機械向け従来品に比べて、寿命を9割延ばしたボールベアリング(玉軸受け)「HPSアンギュラ玉軸受け」を発表した。不純物を極力排した素材を採用するとともに鋼球の大きさを大きくすることで長寿命化を実現した。2010年に年間60億円の売り上げを目指すという。
<生産> 鋳込み成形に適した白色坏土
愛媛県産業技術研究所窯業技術センター大塚和弘主任研究員は、伝統工芸品の砥部焼用坏土の原料配合割合の工夫により、従来よりも鋳込時間が1/3となり、白さが増すと同時に透光性にも優れた坏土にすることに成功した。照明器具など、砥部焼の新しい商品開発が期待できるという。
<ロボット> タグ活用の次世代ロボット開発
産業技術総合研究所大場光太郎主任研究員は、将来全ての物体にICタグがつくことを想定し、ICタグの中に物体の製造先のネットワークアドレスとロボットがその物体を制御するために必要な知識情報を入れておくことで、ロボットプログラムの負荷を軽減する手法を開発している。この成果を発展させ「次世代ロボット環境プラットフォーム技術」として、2009年2月5日(木)「神奈川環境プラットフォーム(ハウススクウェア横浜)」で実演するという。
<医用機器> ロボ支援技術、人手に劣らず
英ロイヤル・フリー・ホスピタル医科大学は、ロボット技術で支援する最新の手術法が、医師の手による従来技術と同水準の治療実績となることを確かめた。胆のうポリープや胆石で胆のうを摘出した患者453人で調べた。医者不足に対応する技術として期待できるという。
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