会長就任のご挨拶 曽田長一郎

 2010年2月26日に開催された機械技術協会総会において、今期の会長を拝命いたしました。就任に当たり一言ご挨拶申し上げます。
 まず、わが国の製造業を取り巻く環境が依然として厳しく、苦しい企業経営が続いている中で、引続き当協会へご支援をお寄せくださっている会員の皆さまに対し、心より感謝申し上げます。このご支援に対し、どのような事業展開を以ってすれば最もご期待に応えうるかということが、打続く不況の中で会員減少が続き財政基盤が弱体化した協会を運営する上での最大かつ基本的な問題でした。これまで、ホームページ上での技術情報の伝達・共有を基本とし、独立行政法人産業技術総合研究所(産総研)の月刊誌配布や研究室見学などの活動をそれに組み合わせた活動スタイルを続けてきました。当協会のホームページはこの数年間に形式、内容共に見違えるほど充実し、訪問者の数も増加してまいりました。
 他の学協会と比べるとき、当協会の発する技術情報の特徴の一つに、日本全国に展開する公設研究機関より発せられる技術情報があります。産総研そのほかの大規模国立研究機関や有名大学による研究が、大予算による基礎及び応用、実用化研究であるのに対し、公設研究機関で取上げられる研究テーマは、各機関の地元企業(中小企業が多い)が直面する切実、現実的な技術課題が大半を占めています。公設研究機関に課せれられる役割は、機器分析などの試験業務、技術相談や実地指導などの支援業務及び研究業務を3本柱としていましたが、最近はこれに講習会や研修生の受入れなどの教育業務及び産官学連携のコーディネート業務等の総合的な支援が加わり、職員は多忙を極めています。研究環境は決して十分とはいえないかもしれませんが、その中で取上げられた研究テーマはより切実緊急なものと思われます。機械、材料系の公設研究機関の数は全国で80にも及ぶので、その研究テーマは多種多様であり、中小企業・大企業に共通に役立つものが多いと思います。
 公設研究機関の情報については、企業会員からの評価も高いものと考えています。また、研究情報以外に、試験、分析機器の保有情報や広報教育情報なども(中小)企業にとって有益であると考えています。当協会ホームページに掲載されている公設機関情報は、今後とも一層充実すべく努力する所存です。
 ホームページ上に長期にわたって連載された機械技術講座「歯車応用機構の設計」は好評の内に終了し、今期中に電子出版を計画しております。現在、「工作機械発展の歴史」が発足いたしましたが、そのほかにも機械技術者の皆さまに喜んでいただけるような講座の数を増し、出版に繋げたいと考えております
 歴史的に関係が深かった産総研とは今後も密接に連携しつつ技術情報の質を高めていきたいと考えております。 
 本年度の組織上の大問題として、「公益法人改革3法」による新社団法人への改組があります。これを、当協会のあり方を見直す好機会と捉え、会員の皆様のご意見を聞きつつ対応を考えていきたいものと考えております。
 ホームページには読者、会員の皆様との会話の窓口を設けておりますので、これを存分に利用され、活気のある紙面が作り上げられていくことを期待しています。
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